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UN-001  作者: 黴男
序章-『ఆశ్చర్యం』
42/46

042-テロリスト?それとも?

屋根の上に飛び上がった僕は、ジガスさんを後部に、ロームさんを客車の監視に向かうようにして、客車の上を駆ける。


「あった!」


先頭車両が見えた。

連結部分に入るか心配だったけれど、なんとか滑り込めた。

僕は三本の指だけで、なんとか連結部の解除を試みる。


「は....外れない.....ッ」


当たり前ではあるけど。

そう簡単に外れるわけがない。

分かってはいたけど.....


「ジガスさん!! お願いします!」

『よし来た!』


後部車両に張り付いたジガスさんが、そのまま線路に降りてウェイトになる。

普通の人間なら肉塊になるような状況だけど、アディブ人ならこの程度じゃ痛くも痒くもないって、僕は信じてる。


「せーのっ!」


手を振り上げて、全力で連結部を殴る。

一発で半壊して、かかっていた力で勝手に連結部が壊れた。

僕は急いで先頭車両との間に滑り込み、凄まじい速度で後ろに流れる地面を見た。

やれるのかな....僕に。


「いやいや!」


どのみち、このままだとおちが見えている。

僕は先頭車両を前に押し込み、地面に足を付ける。


「うわあああっ!!」


とんでもない力で、車両の下に引きずられそうになる。

だけど....今なら。

今の力なら、何とか押し返せる!


「っ!!」


足を思いっきり地面に突き刺すようにして、逆に僕が新幹線を押すようにする。

そうなると、客車は両方からの力で脱線すると思うけれど、後ろで引きずられていたジガスさんが何とかしてくれると思う。


「ぁぁぁああああっ!!」


全力で押し返す事数十秒。

ようやく、速度が落ちてきた。

同時に、僕の真横をペイラックに乗ったロームさんが並走する。


「坊主、俺は前を止めてくる!!

「はいっ!」


加速を続ける先頭車両を、ロームさんが何とかしてくれるらしい。

ならばと僕は、地面に足を引っかけて客車を止めた。

先ほどまですさまじい音を立てていた車輪が、止まったことで重々しい余韻と共に静かになった。


「よし!」


これで大丈夫。

僕がそう思った時、横から誰かに殴られた。

殴られたと気付いたのは、自分が吹っ飛んでいることを認識したから。


「ジガスさん、何を....」


フェンスにぶつかって止まった僕は、誰かがいる方を見た。

すると、そこには.....

ジガスさんとは似ても似つかない、黒い鱗のアディブ人が立っていた。

その全身から、恐ろしい気配を感じた。


「だ.....誰......があっ!?」


次の瞬間、目の前に現れたそいつが、僕を蹴り飛ばした。

何とか態勢を立て直そうとしたとき、首を掴まれて地面に叩きつけられた。

一体、何がどうなって......


「恨むなよ」

「ク――――」


何もわからない状態で、目の前に拳が見えて――――

直後。

その拳が、消えた。

慌てて起き上がると、眼前に緑色の鱗が見えた。


「おいおい、随分な歓迎じゃねえか? 自分から正体をばらすって言うのは......」

「ジガスさん!」


ジガスさんが割り込んでくれた。

こいつは、僕じゃ到底及ばない。

助けを呼ばないと.....


「我らの計画を妨害するとは」

「計画? やるならまず、イナクシスに連絡してからだろ?」

「それでは――――遅いのだ!」

「ぶごっ!!」


ジガスさんが何とか耐えてくれている間に、僕はクジェレンを起動して、レイシェさんに向けて襲われている事、ジガスさんがギリギリの相手である事、ロームさんは手が離せない事を送った。

ジガスさんが持つかどうかはわからなかったので、不安だったけれど....


『大丈夫よ、すぐ来るわ』

「すぐって......」


僕が顔を上げた時、空から何かが突っ込んできた。

それは、僕らの前で上昇の後静止して、ジガスさんと黒いアディブ人との間に立ちふさがった。


「貴様は......」

「よっす! 俺はドラム......つまり、お前の敵だ!!」


彼は、高らかにそう宣言した。


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