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UN-001  作者: 黴男
序章-『ఆశ్చర్యం』
32/46

032-電車旅

当日。

僕達は夕日端行きの電車に乗った。

終点で乗り換え、更に乗り換えを重ねて青沼県にある笠木温泉まで向かうのだ。

カスミは送迎バスをお勧めしてくれたけれど、バスだと僕らは乗れないのだ。

図体が大きすぎて、トランクルームにしか居場所がない。

それなら、電車の方がまだマシだ。


「なぁ、ペイラックで行った方が絶対早かったと思うんだが」

「風情がないじゃないですか」

「風情ね...俺にはわからん!」


電車に揺られ、時には老人に席を譲ったりしながら僕らは夕日端まで来た。

そこから新川線に乗り換え、満員電車に何とか入り込む。


「ニンゲンっ、てのは...大変だ、な!」

「そうかもです...ね!」


車両にアディブ人三人分のスペースはなかったため、数人が電車を降りてくれたが、それでも結構厳しかった。

そんなこんなで青沼県に入り、また大桑駅で乗り換える。

大桑駅は何本ものローカル線と新幹線が入り乱れる大きな駅で、人込みもそれなりにあった。

もっとも.....


「ニンゲンに避けられてるな」

「普通は交通機関で移動しませんからね....」


人込みに一本の道を作り、乗り換えることとなった。

そこからローカル線に乗り換えて、温泉まで行く。

流石に休日だけあって、混んではいたけれど満員電車ではなかったので助かった。


「腹減ってきたな」

「夕食はバイキングらしいので、やめておきましょう」

「...バイキングってなんだ?」

「飯が食べ放題のプランらしいぜ、ニンゲンも考えるよな」


これから行く宿は、温泉旅館だけど大衆旅館でもあるから、娯楽施設も沢山ある場所だ。

値段も安くないだろうに、カスミは僕らの分も出してくれた。

流石に交通費は断ったけど。


「それにしても、確かに外を見ながら運ばれるのも良いもんだな...」


ジガスさんがしみじみと呟く。


「そうですね...」


列車は山の間を抜け、トンネルに入る。

電波が通じにくくなるはずのトンネルも、クジェレンなら全く影響がないのはさすがとしか言いようがない。


「なぁ、前から思ってたんだが...それ、面白いのか?」

「アディブ星には、こういうのはないんですか?」

「無いわけじゃねえけど...あんまり見ないな、栄養素の振り分けの解説とかなら見るけどよ」


ロームさんと、そんな会話を交わす。

ジガスさんは、その間眼を閉じていた。

寝ているわけではないと思うけど、暇が限界まで来たのかもしれない。

そんなこんなで、僕たちは終点までたどり着いた。




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