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UN-001  作者: 黴男
序章-『ఆశ్చర్యం』
25/46

025-イナクシス

「えっ?」


レイシェさんに呼ばれた僕は、意外な新任務を伝えられた。


「ジガスさんたちに?」

「そうよ、そろそろ慣れてきたと思うから、パトロール任務に見習いとして参加してもらうわ」

「.....分かりました」

「ペイラックに乗れるようになったから、追跡も可能でしょう。あとは対アディブ人経験だけど、制圧はジガスに任せるからあなたはサポートに徹して頂戴」

「.....はい!」


.....というわけで、僕の所属は無所属から、アディブ人異星治安維持隊「イナクシス」所属になった。

これからはアディブ人の使う通話アプリの「フェイリル」から連絡を待ち、出動する生活になる。


「それで、イナクシスってどんなことをするんですか?」


僕は尋ねる。

業務内容を知らないと、もしかしたら逆らう地球人を殺せとか、そういう怖い任務を任されるかもしれないからだ。


「そうねぇ.......日本の”警察予備隊”と変わらないわよ?」

「警察予備隊って言うと.....新旧どっちですか?」


アディブ人が地球を実質的に統治し始めてから、日本に存在していた「自衛隊」は徐々に規模を縮小して、その前組織である警察予備隊に名前を変えた。


「勿論、新・警察予備隊ね」

「分かりました」


いくらアディブ人によって平和が保たれているとはいえ、アディブ人達は小さな紛争やテロリスト事件には関与しないから、警察ができない救助や戦闘行動を新・警察予備隊は行っている。


「....アディブ人事件のパトロールだけじゃなく、災害救助、難民支援、国防任務....まぁ、いっぱいあるわね」

「随分....地球人に優しいですね」


よくよく考えると、何か変だ。

どうしてアディブ人は、地球人に対価を求めないんだろう?

何か特殊な物資がこの星にあるとも思えないし....


「そうね、あなたに言っておかないといけないわ、それはね....」


レイシェさんが口を開くと同時に、僕のクジェレンが起動した。


「はい!」


フェイリルが開き、ジガスさんが映った。


『坊主、出陣だ! ちょっと遠いが、先週暴行事件を起こしたヤツが見つかった! 制圧して連行するぞ!』

「はい!」


僕は通話を切って、レイシェさんに頭を下げる。


「その話は、また今度ですね」

「....ええ」


レイシェさんは意味深な顔をして、僕を見送ってくれた。

僕は外に出ると、ジガスさん達と合流した。


「どこに行くんですか!?」

「付いてこい! ペイラックに乗るぞ!」

「はい!」


ジガスさんとロームさんは、充電台に置かれていたペイラックに乗り込む。

僕もそれに続き、ペイラックがクジェレンと連動するのを確認した。


「行くぞ!」

「...はい!」


僕は助走をつけ、ペイラックを起動した。

足が地面を離れ、僕は空を飛んでいた。


「うわぁ......」

「坊主、俺の後をついて来いよ!」

「はい!」


僕はペイラックを操作し、ジガスさんの後にピッタリついて飛ぶのであった。







暫く飛ぶと、ジガスさんが高度を下げ始めた。


「坊主は上で待ってろ、地図と実際の風景を比較して俺たちに教えてくれ」

「了解!」


戦力外通告だけど、そっちの方が安心する。

いきなり歳を重ねた強者を制圧しろ、なんて言われたら僕なんてあっという間にやられてしまう。


「じゃ、降下するぜ....頼んだ!」

「はい!」


僕はクジェレンで地図を表示し、空からジガスさん達の姿を目で追った。


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