1話 プロローグ
俺の名前一ノ瀬悠斗(芸名は七瀬玲音)。そんな俺には秘密にしていることがある。それは一度は引退したが芸能界に復帰した元有名子役である。親は海外の支社に転勤したため今は一人暮らしをしている。そんな俺は中学では元勇名子役という正体を隠すためにガリ勉陰キャとして過ごしていた。
今日は2月28日(木曜日)、高校受験も上手くいき、いつものように学校に登校するとクラスカースト上位で星霧中学校の三大イケメンにも数えられる佐藤結太を中心としたクラスカースト上位のメンバーがいつものように騒いでいた。そんなことは気にせず、自分の席に座ろうとすると佐藤結太の親友で彼と同じく三大イケメンに数えられる小林健太がこっちに向かってきた。
「おい、ガリ勉陰キャ、俺等の分の飲み物買ってこいよ」
と言われた。
ここで無理とか言うと面倒になるから素直に飲み物を買いに行く。自販機で飲み物を買っていると後ろから幼馴染の桐谷あかねが来た。
「悠斗、手伝うよ、いつも迷惑かけてごめんね、後で健太に言っとくからね」
「いやいや大丈夫だから、後あんまり関わらないほうが良いよ、あかねのメンツ悪くなるよ」
「私はそんなこと気にしないから大丈夫だよ、けどまた、健太たちと面倒なことになるから、いつも通り関わらないようにしとくね、そろそろ教室戻ろうか」
「そうだね、運ぶの手伝ってくれてありがと」
教室につくと、小林が
「やっと帰ってきたか、ガリ勉陰キャ」 「ていうか、あかねがそんなやつといないでこっち来いよ」
「あら、そうね、そうするわ」
そんなところに佐藤が来て、
「そもそも陰キャが、あかねと喋るんじゃねんよ、陰キャは陰キャらしく端っこの席に居て黙ってろ」
「わかりました」
と言って自分の席に戻って行った。その後授業が始まり、いつものように過ごしていると学校も終わり、俺は帰りの電車に乗って家に帰っていた。家の最寄り駅で降りるとたまたま、幼馴染のあかねに会った。
「あら、悠斗こんなところで会うとはね、途中まで一緒に帰りましょ」
「うーん、いいよ」
「じゃぁ、早く行きましょ」
とあかねが俺の手を取って帰り道を歩くのだった。途中であかねと別れて俺は自分の家に着いたのだった。家に着いてからいつものように過ごしていると時計は既に22時に回っていた。ソファーで本を読んでいると電話がかかってきた。その相手はマネージャーの百目鬼絢音だった。
「もしもし、悠斗くん、今大丈夫?」
「大丈夫ですよ、絢音さん」
「えっとね、悠斗くん、急なんだけど、土曜日にメンズ雑誌の撮影入れていいかな?」「モデルの人がなんか体調崩したみたいで、代わりを探しているのよ」
「うーん、暇なので大丈夫」
「ありがとう、悠斗くん、話はこれだけ、おやすみ〜」
「おやすみなさい」
電話を切り、また本を読んでいると眠くなっていて時計を見ると23時を過ぎていた。
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