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## 第六話:輸送屋たちの時間(続き)
# 紫色のフラグメンツ
## 第六話:輸送屋たちの時間(続き)
「リン」ミッドナイトが通信を入れてきた。「予測モデルの計算が出たわ。30分後に南回りルートの砂の流れが最適化されるみたい」
リンはカップを置きながら、さりげなく立ち上がった。休憩は十分だ。
「あら、もう行くの?」マリアが声をかける。
「ええ、ウェストサイドまでまだ距離があるから」リンは結晶メモリを回収しながら、管理人に軽く頷きかける。「ちょうど良いタイミングみたい」
「そうね」マリアも了解したように微笑む。「あのルートなら、19時にはコミューンに着けるでしょう」
トムが明るい声を上げる。「また色々教えてください」
バンに戻ると、ミッドナイトはすでに航路計算を完了させていた。「ウェストサイドまでの最新データ、バッチリよ。15分以内に出発すれば、予定通り走れるわ」
リンはシステムを起動させる。束の間の休息を終え、次の仕事へ。それが輸送屋の日常だった。