７
たどり着いた場所は直径三十メートルの宇宙だった。
宇宙の大きさは直径三十メートルしかなく、直径五メートルの惑星が中心においてあった。毛むくじゃらの動物が一匹おり、やってきたジャラテクたち四人を眺めていった。
「誰がやってくるかと思ったら、神殺しに挑んだもののようじゃの」
毛むくじゃらの動物がいった。
「あなたは誰だ。ここはどこだ」
ジャラテクが聞く。
「わしも神じゃよ。この宇宙の神じゃ。ここは願いごとの叶う宇宙じゃ」
「願いごとの叶う宇宙？ 本当にそんな宇宙があるのか。どんな願いでも叶うのか」
「ああ、叶えてあげるよ。ここに来たものは一人ひとつの願いごとを叶えることができる。この祈りの石をもっていくのじゃ。ほれ、どんな願いごとにするのか、考えるがよい」
ジャラテクは考えた。ザリは本当はおれを殺そうとするほど、おれを嫌いなはずだった。今、ザリが好きなのは特攻兵アーシスだ。神殺しを願うか。いや、神殺しはおれの実力を試すための試練だ。願いごとを叶える神様の力を借りて神殺しをして、何がうれしいものか。
「さあ、願え」
願いごとの神様はいった。
「おれは、おれを好きな女の子と一緒に入れたらそれでいいよ」
ジャラテクの祈りの石ができた。
ザリは考えた。暴食爪のアーシスを倒したのはジャラテクなのだろう。なら、ジャラテクにすべてを捧げよう。
ザリは願いごとをいった。
「わたしもジャラテクと一緒にいれますように」
カノウは願いごとをいった。
「すべての子供に勇気を与えよ。『財宝わきいずる泉』を探しに行く勇気を」
アーシスが願いごとをいった。
「すべてを救ってくれ。食性宇宙も含めてだ」
こうして四つの祈りの石ができた。
願いごとの神様はいった。
「誰か苦しんでいる人がいたら、この宇宙に連れてきておくれ。願いごとだけはかなえるから」
願いごとの神様が、四人に最もふさわしい宇宙に送ってくれるというので、四人は多世界次元の研究の進んだ宇宙に宇宙ワープした。
