23.続き
※※突然ですが次話最終話となります※※
以下言い訳
ちゃんと作るつもりでしたがその場しのぎ、勢い任せ、なぜか急ぎすぎたストーリー展開などの結果、時系列の矛盾、設定のブレなど、ストーリー進展に支障をきたす問題が起きてしまいました。
そのため次話にて一度クローズさせようと考えた次第です。
評価、ブックマークいただいた皆様、申し訳ありません。
5月ごろから本作の再構成し、投稿する予定ですのでもしよろしければお読みください。
「いいか、向こうの世界で死んだ場合どうなるかは俺たちにもわからない、無理な行動は絶対にするな」
時刻は23時59分、そして曜日は金曜日だ。
目の前にいる小太りの男、この浜松技研の所長弥冨は言葉を続ける。
「もっとも、ユメウチやこいつらがいれば問題はないだろうがな」
弥冨はユメウチ隊長、そしてないないコンビ、空を見ていう。
「死なない程度にはがんばります」
そう言葉を紡ぐのとほぼ同時に意識が途切れる感覚に陥る。
だが慣れなのか完全に意識が飛ぶことはなく、夢を見ているような感覚が続き気がつくと俺たちはコロニーの格納庫にいた。
「成田の存在から異世界へ転移するというのはわかっていたが自分がその体験をするとは、不思議な感覚だな」
ユメウチが言葉を発するとないないコンビも続け発言する。
「うぅ…気持ち悪いですぅ…」
「慣性制御を切ったマキナで高軌道運動をした時のましですぅ…」
ないないコンビは乗り物酔いのような状態に陥っていたが…乗り物酔いのような状態になっていた。
「わ、私もちょっと気持ち悪いです…」
空もないないコンビほどではないが少し酔っているようだった。
「俺と成田は問題ないか、個人差があるのかもしれないな」
そう呟くとユメウチはハッと思い出したように表情をする。
「とりあえず俺は司令部に向かい状況の確認をしてー」
言い切る前に言葉は遮られた。
ドゴーンっという爆発音と共に屋根が崩れ、格納庫の一角にマキナが落ちてくる。
「なんだ!」
マキナを見るとエンブレムには第3コロニー管理軍のエンブレム、そして
「あれは葉月の機体!?何があった」
ユメウチが叫ぶ、墜落してきた機体にはアンチカースのエンブレム、つまりユメウチ指揮下の一員なのだろう。
一瞬動揺したユメウチだがその後の判断は早かった。
「くそ、何かが起こっている、マキナに搭乗しろ!」
「は、はい」
ユメウチ、ないないコンビは自身の機体へ向かって走る、俺も登場しようと周りを見渡すが…
「やっぱり向こうの機体はこっちの世界には持ってこれないか」
「成田さん!こっちです!」
ぐいっと手を引っ張られ空の機体、ベガのコックピットに入る。
単座機のコックピットに2人ということでぎゅうぎゅうではあるがなんとか入ることはできた。
「ユメウチさん、私たちは成田さんの期待を回収しに自警団の格納庫にむかいます」
『……了解した、やれる限りのことはやる、達者でな』
「ええ、お世話になりました」
そう言い無線を切る。
「空、どうなってるんだ、状況は!」
一瞬空は黙るといつもより少し低めの声で続ける。
「すぐわかります、しっかり捕まっててくださいね」
そういうと空は手持ちのライフルを壁へ向けて発射、壁を壊す。
「な、何をやって」
返事をするまもなく機体は破壊した穴から外へ飛び出す、外へ出た途端跳躍、そのまま飛行体制に移る。
「これが、コロニーの現状です」
空がつぶやく、遅れて周りを見渡す。
「う、嘘だろ」
眼下に広がっていたのはコロニーに寄生する、そして周辺を埋め尽くす数多のアイヴィーだった。
「ギリギリ私たちの格納庫あたりは規制されていないみたいです、急ぎましょう」
そう言い空は格納庫へ最短で進んでいく。
「何があったか…はわからないよな」
「ええ、データリンクにはそういった情報は残らないので」
そう言いながら空はデータリンクの情報を確認する、が確認を進めるにつれ顔色がどんどん悪くなっていく。
「データリンクにつながっている機体は私とユメウチさん、ないないさんの機体のほか管理軍の機体が10機のみです…」
管理軍のマキナ戦力は100機ほどと聞いていいた、それが残り10機ということは…
「……」
返す言葉が見つからなかった、何を言っても気休めにもならないことぐらいは俺にもわかる。
「見えました、このまま屋根を突き破ります!」
そう言い空は強行着陸体制で格納庫の屋根に対し減速せず突っ込む。
ガラガラと屋根の破片、瓦礫が周囲に散らばる中、そいつはいた。
「シリウス…」
浜松技研で開発されたマキナ、それと同型のこの機体は空も出自は詳しく知らないらしい。
「成田さん、シリウスを、ナリタさんの期待をお願いします」
「ああ」
空の機体から降りシリウスのコックピットを開ける。
昨日まで乗っていた浜松技研の機体、それとほぼ同様の内装をしているシリウスのコックピットに入る。
「本当に、偶然なのか」
そう思うほど内装は同じであったが今はそんなことを考えている場合ではない。
コックピットを閉鎖し主電源を入れる、起動に問題はない。
「空!こっちはOKだ、ユメウチ隊長の援護に行ってくれ」
『いえ、シリウスが起動するまではー』
ドゴーン
再び爆発音、壁を破り何かが格納庫に入ってくる、アイヴィーがここにも攻め入ってきたかと思ったが土煙の中から出てきたのはボロボロになったマキナだった。
『ないないさん!?』
空が叫ぶことでその機体がないないコンビの機体だということに気がつく、空が言わなければわからないほど機体の原型がなくなっていた。
『空…さん…成田さん…逃げてくだ…さいぃ…』
『あれはただの…アイヴィーじゃ…ないですぅ…』
「どういうことだ......」
ないないコンビの技量はシミュレーターでいやというほど思い知らされた、そんな二人をここまで追い詰めるなんて一体......
ピッっという電子音、機体の起動が完了した、すぐさまレーダーに目を移すが敵は1体だけだった。
「一体だけ?それなのにないないコンビが?」
『あ、あれは通常のアイヴィーじゃありません』
空が震えた声でつぶやく、機体のメインカメラを最大望遠にし敵機を視認するが土煙でよく見えない。
『あれはアイヴィーに寄生されたぁ...』
『マキナですぅ...』
土煙が落ち着き敵が映し出される、機体からいくつもの触手が生えているがその姿はまくなそのものだった。
「嘘だろ、マキナが寄生されたって、それにあの機体は...」
その機体には見覚えがあった、俺が初めてこの世界に来た時に見かけた機体だった。
『あの機体は...ナリタさんの...」
「え、ナリタさんってこっちの世界の...」
『ええ、ナリタさんが帰ってこなかったあの日はあの機体、アルタイルで出撃していました、あの機体はワンオフ機なので間違いありません...』
「空...あの機体は俺が相手をする、ないないコンビを連れて近くのコロニーまで逃げてくれ」
『そんなの無茶です!アイヴィーに寄生されたのはナリタさんなんですよ!技量が違いすぎます!』
「時間稼ぎにはなるよ」
そんな会話に痺れを切らしたのは敵の方だった。
ピーっとなる甲高い接近警報、敵が高速でこちらに向かっていた。
「クソ、空は二人を連れて逃げて!」
『私の方が技量は上です!ナリタさんが逃げてください!』
話が平行線のまま敵だけが近づいてくる、俺のほうが敵には近かった。
「ごめん」
そうとだけ言い敵に向かって急加速、『成田さん!』と叫ぶ空の無線が耳に入るが聞こえないふりをする。
『そこのバカ、3カウントで停止だ』
「は?え?」
『3,2,1――』
急に聞こえてきた無線は問答無用でカウントを進める。
カウントが進むにつれ後方からの重力子反応が増大する。
「うそだろ!」
スラスタを逆噴射し機体をと目にかかる、脚部が砂で滑りながらもなんとことまる。
『0』
最後のカウントとともに目の前をうっすらと白く輝く弾道が通り過ぎる。
その直後に着弾、眩い閃光でモニターがホワイトアウトする。
「クッ...」
『一度引け、ここは俺が引き受ける』
閃光が収まると目の前には先ほどの砲で木でできたクレーター、その奥に敵機がいた。
そして俺の機体の前に統治軍の指揮官用マキナ、呪いに抗う榊の葉のエンブレム、アンチカースの隊長機、ユメウチ隊長だ。
「ですが――」
『50対39』
「え?」
『俺とあいつ、ナリタのシミュレーターでの戦績だ』
勝ち越している、ということだろう。
「なら一緒に戦えば!」
『デバフを抱えて倒せるほどあいつは弱くねぇ、安心しろ、倒したらすぐに追いかける』
「......わかりました、すぐ追いかけてくださいね」
『ふっ、いわれるまでもない』
そういうとユメウチ隊長は敵に対し突っ込んでいく。
俺はユメウチ隊長に背中を任せコロニーへ戻っていく。
「もう戦えないと思ってたからうれしいよ、ナリタ」
俺は物言わぬアイヴィーに寄生されたマキナに話しかける。
「覚えてるか、50対39、50本先取の勝負したときの数字だ」
反応はなく武器を構える、だが攻撃はせずにこちらの話を聞いているように見える。
「乗り気で助かるよ、それじゃ、今日は1本先取で片を付けようか」
この会話の間、脚部に充填していた重力子が制御限界を超え機体が徐々に動き出す。
どうやらナリタも同じ考えだったようでじりじりとお互いの機体の距離が近づいていく。
「それじゃあ、リベンジマッチだぁ!」
その言葉を発するとともに機体が爆発したかのような勢いで加速する。




