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18.動き出す

私事ですが、声優さんのイベントで札幌行ってきました~

やっぱ北海道っておいしいもの多いですよね!

イベント無しでもまた行きたくなりました!


では本編どうぞ




「つまりだ、あの男、成田夕がお前たちの世界に転移したとたん、あの化け物、えーっと」

「アイヴィーです」

「ああ、アイヴィーの行動パターンが変わりコロニーを襲い始めたと」

成田夕を殺してくれ、それが俺からの要望だ。その原因をこの男、弥富は疑っているのだろう。

「ええ、別機体のパイロット空に聞いた限りでは、先週私たちの世界に成田夕は転移してきたはずです」

この世界のカレンダーを見つけ、日数を計算しおおよその日付を伝える。

「この日を境にアイヴィーの行動パターンは大きく変化しました、これまでは1カ月に1度程度の襲撃頻度だったものがほぼ毎日襲撃されています、あいにく機体にデータは入っていないので証拠はないのですが……」

なるほどとだけ発し弥富は考え込むように黙る。

目を閉じ考え込んでいるため表情から何を考えているのかわからない。

「あの――」

俺が口を開けようとした時だった。

「そういうこともあるか」

「え?」

返って来た言葉は思いがけない言葉だった。

「まず君からの要求である成田夕を殺せという話、これは無理だ、こちらの世界では他人の命を奪うことは基本的に禁じられている」

目を開いた弥富はこちらの要求には応じないという結論を目でも訴えていた。

「法律が足かせになっているから殺さない、ということですか?」

「そうだ」

即答だった、法律がなければ殺してもいいという判断なのだろうつまりは――

「であれば俺の言っている成田夕が原因でアイヴィーの行動パターンが変わったというのは納得していただけるんですね」

弥富はにっと口元をゆがめた。

「私の研究所では表向きには機動兵器、君たちが乗っているマキナのようなものを研究していることになっている」

同席していた佐々木が立ち上がり、窓のカーテン、入り口の窓を遮蔽布でふさぎ始めた。

「つまり裏があると」

「これだよ」

弥富は試験管のようなものを2つ取り出して机の上に置き手で促す。

「軽……」

促され持った試験管は一見何も入っていないように見えるが、暗闇の中うっすらと光っており、異常なほどに軽かった。

そしてもう一つの試験管にはどこか見覚えのある木片のようなものが入っていた。

「いいかな?」

声を掛けられ試験管を凝視するのをやめ返却する、すると弥富は試験管を開き、うっすらと光る試験管へ木片を入れた。

「それは何を……」

「見ればわかるよ」

再び封をし、試験管を渡してくる。

渡された試験管を見ると先ほどの木片がうっすらと光り、浮き始めていた。

「これは……まさか!?」

「これが君の発言を信じた理由だ、まさかこんな形でつながるとはおもっていなかったがね」

試験管の中の木片は徐々に周りの光を吸収し、そして動き始めた、その姿は

「アイヴィー!?」

俺たちの生存を脅かす化け物、アイヴィーの姿そのものだった。

「俺たちの本当の研究対象は重力子、その軍事転用だ」

「まさかアイヴィーを作ったのか!?」

感情をにじませた声に弥富は少し驚いたものの狼狽えはしていなかった。

「勘違いはしないでくれ、あくまでサンプルとして見せただけで本来は逆だ、この触手、君たちの言うアイヴィーを殺すことで我々を重力子のサンプルを確保している」

落ち着けというよう、静かな声で説明したしなめてくる。

「あ、ああ、すまない、つまりは、お前たちも一応はアイヴィーを、重力子を知っているから俺の話を信じるということだな」

弥富の話を聞き少し冷静になり、話を本線に戻す。

「つまりはそういうことだ」

再びの沈黙、お互いが頭の中で状況を整理しているのだろう。

その沈黙を破ったのこちらだった。

「であれば成田夕の危険性も少しは理解いただけるはずです、今回ばかりは特例というわけにはいかないのですか?」

今までの話からこの世界に脅威となる規模のアイヴィーはこれまでに観測されていないようだが、今回俺たちの世界からこちらの世界に来た大型アイヴィーの脅威を知れば成田夕を殺す動機にはなるはずだ。

「確かに成田を殺せば一か所にアイヴィーが集まることはなくなるだろう、だがこれはアイヴィーを集めるチャンスとも考えられる」

「つまり成田を誘蛾灯にすると……」

俺たちの世界はすでに大型のアイヴィーがそこらにいる世界だが、こちらは小型のアイヴィーが少しいるだけのようだ、であれば一か所にまとめて殲滅するというのは理にかなっているのかもしれない。

「だが小型はともかくもし中型のアイヴィーが出現すればこの世界の武器では戦えないんじゃないか」

再び弥富がにっと笑う。

「そのための表稼業だよ、佐々木、周辺の準備は」

「はい、周辺、対岸などの目視可能な範囲からは人払い済んでいます」

「よし、夕張、準備はいいか」

『すでに降下ポイントにて待機中です、いつでも』

「それでは初陣だ、降下」

「何をなされるつもりですか?」

弥富は無線でどこかに連絡を取り何かを始めたようだ。

「これを使うといい」

そう言い渡されたのはヘッドセットだった。

疑問に思いつつもヘッドセットを管理軍のものから付け替えると、かん高くうるさい2人の声が聞こえた。

『ユメウチ隊長!聞こえてないのですかぁ!』

『ピンチですぅ!大ピンチですぅ!不明機から攻撃を受けてますぅ!』

「はぁ!?」

目の前を見るとにやりと笑った。

「こちらからは絶対にとどめを刺さないように連絡している、模擬戦だとでも思ってくれればいい」

「ふざけた真似を…」

ヘッドセットのマイクをオンにしないないコンビと通信する。

「ないない、聞こえるか、急遽だが模擬戦だ、殺しはしないが壊しはしてくる、本気で掛かれ」

『急になんでなんですかぁ!バカなんですかぁ!』

『殺しはしないって言ってもお互い実弾ですぅ!』

再び弥富を顔を確認するが表情に変わりはなかった。

「許可が出た、殺さないようには気を付けつつ、”本気で殺れ“」

『その言葉、久しぶりですねぇ』

『だったら私たちも久しぶりにぃ』

『『本気でやりますね』』


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