17.その目的は…
目の前にいるのはおそらく異世界人、世界初の別世界の人間との邂逅だというのにこの方、弥富所長は物怖じせず、いつも通りといった感じで席に座っている。
「まずは自己紹介だが…」
相手の目を見るが相手も所長に変わらず物怖じせず、こちらを見返している。
「ふ、まあいい、こちらがホストだからな、浜松技研の所長、弥富だ、本件に関しての最高責任者だ、君らの処遇も俺が決められる」
「なるほど、それは頼もしいな。私は第8コロニー管理軍、アンチカースのユメウチだ」
ユメウチと名乗る男は皮肉を交えながらなを名乗る。所属に関しては聞き覚えはなかった。
一瞬の沈黙ののち、言葉を発したのは弥富所長だ。
「まずはあの化け物を止めてくれたことに礼を言いたい、ありがとう。映像を確認したがあの場であれを止める事ができたのは君たちだけだっただろう」
「意外だな、初手で脅してきたやつが感謝するとは」
「実利を優先するが俺もそこまでの礼儀知らずではないもんでな」
最初の自己紹介で凍った空気が少しだけ溶けた空気となるのを感じる、最も、溶けはじめただけで凍ったままではあるのだが…
「お互い聞きたいことは山積みだろ、少なくとも俺は山積みだ、が、君らがこの世界のゲストだ、先になんでも聞きたいことを聞くがいい、わかる範囲なら全て答えよう」
「そうか、では遠慮なく、これは質問というより要望にはなってしまうが…」
「なんだ?」
ユメウチは先ほど少し崩した顔を再びこわばらせ言った。
「この世界の成田を、成田夕を殺してくれ」




