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12.今から作戦を開始しまーす!

「さっきからずっとうれしそうな顔してるわね、マイシスター、何かいいことでもあったの?」

お昼ご飯を食べ終えた後、イルカショーまで時間があるから他の水槽も見ようとお姉ちゃんを引っ張り赤道近くに生息する魚を展示するエリアへ来ていた。

「うん、お姉ちゃんと一緒に水族館にこれたことがすっごくうれしいの、最近お姉ちゃんとお出かけすることがあんまりなかったから」

嘘はついていない、お姉ちゃんとお出かけできるのは本当にうれしいから。でも当然それだけじゃない、でもこれは秘密だからまだおねいちゃんには言えない。

「見てお姉ちゃん、この子他の子よりもうねうね動いててかわいい!チンアナゴもいろんな子がいるんだね!」

一匹だけ植物の 蔓のようにうねうねと動いている子が目を引いていた。他の子からは一人だけ浮いているような、避けられているような印象だった。

『まもなく、イルカショーが始まります、ご覧になられる方はぜひ、メインプールまでお集まりください』

そんな風に館内を見て回っているとイルカショーの時間が迫っていた、周りのお客さんも動き始めている。

「じゃあ私たちも行こっかお姉ちゃん!」

「ええ、行きましょうか」

メインプールに、そしてお姉ちゃん、お兄ちゃんの決戦の地に向けて歩み始めた。




「思ったより時間かかっちまったなぁ」

水族館の入り口に着き時計を確認すると時刻はすでに12時50分、イルカショーの開始まで10分を切っていた。

来る途中の電車で買っておいた電子チケットを見せ館内に入る。祝日ということもあってか館内は思ったよりも人が多かった。

【ごめん、遅くなった、どの辺座ってる?】

メインプールに向かいながらメッセージを送る。

【遅い!お兄ちゃんの分の席なくなっちゃったよ!】

【とりあえずプール来て!】

【すぐ向かう】

そう返信し、走らない程度に急いでメインプールへ向かっていった。


着いた時にはメッセージにあった通り席はほぼなかった。

【ついたけど確かにもう席がないな…】

着いたことをメッセージで伝えながらあたりを見渡す。

【ちょっと待ってて】

そうメッセージが送られると一人席から立つ少女が見えた。

その少女はこちらに気が付き近づいてくる。

黒のショートカットに赤と白のメッシュの入ったかみ、あれは

「お兄ちゃん遅い~、席なくなっちゃったじゃん」

「ごめん、できるだけ急いだんだけどこれが限界だった」

天田さんの妹ちゃん、もえちゃんだった。

もーっと言い妹ちゃんは自分の座っていた席を指さした。

「席、あそこだからね」

そういうとあたりを見渡して空いている席を見つけた。

「じゃあ私あそこで見てるから」

「ありがとう、でもいいの?」

「いいも何もそのためにお兄ちゃんを呼んだんだから、お姉ちゃんをよろしくね」

そう言い残し妹ちゃんは空いていた席に向かっていった。


スタンドを下っていくと一つ空いている席が見つかる、妹ちゃんが譲ってくれた席だ。

隣の席にいる天田さんはスマホを見ておりこちらにはまだ気が付いていない。

「ただいま~」

妹ちゃんにできる限り声を似せてが流石に性差もありが日がびな声になってしまった。

「おかえ…え?」

天田さんの反応は驚き半分、あきれ半分といった様子だった。

「はぁ、あの子がずっとにこにこしてるから何かしてくるとは思っていたけど…どこからが計画の内なの?」

後ろを見ると妹ちゃんが手を振っていた。

「昼過ぎからかな、もえちゃんから連絡受けて」

「だから昼過ぎぐらいからあの子の様子がおかしかったのね…」

合点が行き、さらにあきれたという様子で頭を振る。

「それで?」

「うん?」

「何か言うことは?」

怒っている様子ではないが、静かに聞いてきた。

「返信できなくてごめん、今度からは気を付けるよ」

「ええ、本当に心配したのだから、それで体調はもう大丈夫なの?」

「万全ではないけどね…」

「無理だけはやめて頂戴ね」

そんな他愛のない話が楽しかった。

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