2 初めての試練の余韻
幼い赤貝は、まるで初めての試練に直面する幼子のように、必死の形相を見せていた。小さな身体には、異物が押し入っていた。元来、広がる余地の少ないその柔らかな皮膚は、限界を超えて張り詰めていた。まるで、初めての挑戦に臨む子どもが背伸びをするかのように、赤貝もまた精一杯にその身を引き締め、恐怖に立ち向かおうとしていた。
赤貝の小さな体は本能的に反応し、異物を排除しようと必死に締め付ける。きゅっ、きゅっ。そのリズムはまるで心臓の鼓動のよう。3秒に一度、規則正しく繰り返される。そのたびに、赤貝の精一杯の抵抗が伝わってくる。しかし、異物はびくともせず、赤貝の努力を無情にも退けていた。
赤貝はせめて皮膚の摩擦を和らげようと、潤滑液を分泌する。その液体は、異物との摩擦を少しでも減らすための自然の知恵であり、赤貝の生命力の象徴でもあった。異物は赤貝の反応を感じ取り、ゆっくりと後退し始める。その動きに伴い、赤貝は鋭い痛みを感じ、その度に小さな体を震わせた。
異物が抜けると、静寂が訪れた。赤貝は、その短いが激しい闘いから解放され、ほっと息をつくように見えた。異物は赤貝の防御反応から分泌された潤滑液で濡れ、テラテラと光り、脈打っている。一方で、赤貝の押し広げられた後の幼い穴は、ゆっくりと元の形に戻ろうとしていた。その様子はまるで、初めての経験を経て成長する若者が、新たな一歩を踏み出すかのようだ。
その幼い穴は、初めての試練の余韻に包まれ、微かに痙攣しながら動いていた。まるで鯉が口をぱくぱくさせるように、小さな動きを繰り返す。その姿には、青春の瑞々しさが宿っていた。
そこには静かな時間が流れていた。