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5.ラッキーアイテム

「山田様ー!!」


 羊田さんが口を尖らせて迫ってくる。


「ギャル子、嬢子さん羊田さんを止めて!」


「嬢子ちゃん。自転車置いてったの今回が初めて?」


「いいえ、コンビニとかスーパーにも感謝の気持ちを表明致しましたわ。」


「じゃあ最近頻発してる無断駐輪って全部嬢子ちゃんじゃん。良くないことだから全部回収しに行くよ。」


「分かりましたわ。羊田に取りに行かせますわ。」


「ダメ。自分のした事は自分で責任持つの。太郎にゃんも羊田さんも遊んでないで行くよ。」


 俺達は各所に謝罪し、自転車を回収して回った。


「わたくしこうやってお友達と遊ぶの憧れだったのですわ。」


「いや、遊んでねーわ!」


 俺とギャル子は同時にツッコム。


「わたくし、お友達がずっと欲しかったんですの。ですから、お父様に無理言って登校だけ自転車を許可して頂いて、一緒に登校したりしたかったんですの。この嬉しさを皆様にもと思いまして、地域の皆様に感謝の意を示したつもりだったのですが……」


「あたし不幸体質だからさ、友達が不気味がってすぐ離れていっちゃうんだよね。だからあんたの気持ち少し分かるよ……あたしが嬢子ちゃんの最初の友達になってあげるよ。」


「嬉しいですわ! でもお友達がいない訳では無いので、最初ではないですわ。」


「あー! もうやっぱあんた嫌い!」


──羊田さんと嬢子さんを見送り、俺達は帰路についていた。


「嬢子さんって同級生とは思えないくらい綺麗だったよね。」


「ふーん……太郎にゃんは、ああいう清楚な子がタイプなんだ。」


「いや、別にそういう訳じゃ……」


「へー……」


「あっ、そういえばさ、今日のラッキーアイテムってなんだったの?」


 俺は話題を逸らす。


「えーと、ねー……ん。」


 ギャル子が俺を指さす。


「俺? 別に今日は不幸なこと無かったけど……」


「嬢子ちゃんの手伝いは幸せなことなんだ。ふーん。」


「別にそういう訳じゃ……」


「今日のラッキーアイテムは凡人。そのラッキーアイテムが適してれば適してるほど何事もなく過ごせるの。」


「凡人か……」


 その後、特に会話もなくそれぞれの家に帰った。


──数時間前。


『ごーごー5人は戦隊の5分占いのコーナー……今日のラッキーアイテムは好きな人……』

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