表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/291

第90話:でんしぇつきゅうの、なまえ? の、ひ!

「あ~う~……」


 アリアちゃんとアヤネちゃんに、両サイドから手を引かれ、ズルズルと抵抗虚しく引かれていく。

 周りから見れば、捕獲され、連行される宇宙人……。


「ソラちゃん。怖いのに、どうして前衛など希望したのですか?」

「いやって、ちただけ……」


 アリアちゃんの問いに、絶望を搾り出したような声で答える。

 まあ、話を聞かずに実行したソラちゃんが悪い。


「まあ、私も護衛として同行するから、大丈夫だよ」

「う~……」

「はい。もうここまで来たら諦めて、馬車に乗るよ~」


 校門の外に待機していた馬車に、強制的に乗せられる。

 もうこうなったら頑張るしかないよね。


 ――う~……。


 森に入る前から重症だね……。




 王都を出てから2時間ほど。大きな森が見えてきた。

 森の手前、森から50メートルほど離れた平原に、テントがいくつか設営されている。

 そこへ、馬車はゆっくりと停車した。


「さあ、ソラちゃん、降りますわよ」

「あたち、おるちゅばん」


 椅子にしがみついて、必死に抵抗する。

 と、そこへ、白髪で一部が白銀の髪をした人物が、馬車の昇降口から顔を覗かせた。


「あらあら、ソラちゃん、どうしたの?」

「ばぁちゃ!」


 馬車から飛びだして、ばぁちゃの腰に抱きつく。


「マナファリス様、どうしてこちらへ?」

「医療班として、この授業に参加しているのよ」


 準聖女として、精霊の祝福を受けたばぁちゃが参加するってことは、それだけ危険な授業なのかな?

 まあ、モンスター相手の実戦だから当たり前か。


「ソラちゃん、頑張ってね」

「うん、がんばる!」


 さっきまで馬車でお留守番するって言ってたのに。


 ――もぉぉぉ! がんばるの!


 はいはい。





 実戦研修に参加する生徒が、勇者の前に整列する。

 特待クラスの皆は1つのチームとして全員参加だけど、他のクラスは、剣術と魔法の成績が上位の者のみの参加のようだ。

 

「よし。みんな防具の確認は大丈夫か?」


 防具……。みんなは、学園の備品の革でできたチェストアーマーと腕を守るガントレット、脛当てを身につけている。

 そんな中、ソラちゃんはネコミミ帽子だけを被る。うん、4歳児の体にピッタリなサイズがなかったというね……。


「ねこみみぼうち、かぽ!」

「「「かわいい!」」」


 女子達に大人気である。


「当然よ! 私がデザインしたんだからね!」

「「「トレンティー様!」」」


 葉で出来た翼を羽ばたかせて、空から降りてきた。


 ――パパもきたのかな!?


 いや、トレンティーさんだけっぽいけど。


「ソラちゃん、これプレゼント。世界樹の樹皮のペンダントよ」

「やった!」


 トレンティーさんに首にかけてもらった。


「危機を自動で察知して、守ってくれるわ」

「しゅごーい!」


 さらに、魔力を流すことによって、防具に変化するらしい。

 世界樹っていうだけで国宝級なのに、凄い機能まで付いちゃってるから、伝説級なペンダントになっちゃってる。


 ――ちぇかじゅじゅだんと、しゅごいね!


 うん。


 武器の、ちぇかじゅのだ。防具の、ちぇかじゅじゅだんと。ほんと、凄い名前つけたね……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ