表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/291

第82話:しぇいれいしゃん、でてきて~。 の、ひ!

 さて、魔王国内では、一定の気候に保てられていたため、年中春みたいで過ごしやすかったんだけど、人族の国ではちゃんと季節がめぐるらしい。

 春に入学して、今はすでに初夏に差しかかろうとしている。

 

 ――ソラしゃん……あちゅいね。


 だね~。


 制服は、上着を脱いでブラウスになっているんだけど、それでも照り付けてくる太陽がかなりきつい。

 そんな中、ジェノさんに抱かれて、魔法練習場に向かう。


「ジェノしゃんは、あちゅくないの?」

「エルフは精霊の眷属、特に私は精霊女王トレンティー様の眷属ですから、耐性が強いんですよ。なので、暑くもなく、寒くもなくですね」

「いいな~」


 自然を司るのが精霊だしね。その精霊を怒らせた結果が、人族世界の大地の荒廃……トレンティーさんは怒らせちゃダメだぞ!


「おねえちゃんは……」


 アリアちゃんはラチカさんの背中でグダってる!

 暑さに弱すぎ! 普段は、これぞ王女様! って感じなのに。

 これ、真夏が来たらどうなるんだ?


「ソラちゃん……練習場に着いたら……木陰で練りの練習だけをしましょう……」

「あ、あい……」




 練習場に着くと、教師と、初めて見る人が立っていた。

 白いローブを着た、なにやら偉そうな男性だけど。


「え~、今日は、このクラスの魔力が一定値に達したということで、これから精霊降ろしを行う。精霊に祈り、認められたものは、加護を授かることが出来る」


 へ~。人間でも加護を受けることができるのか。


「ほほほ。私は教会で司祭をしている、ハラグーロと申します。精霊降ろしの儀式を行いますので、祠に行きましょう」


 ここまで来て、場所移動のようだ。

 その場所は、学園の裏庭っていうのか、学園の裏の少し開けた場所で、小さな林の入り口に、小さい祠があった。

 木々がちょっと枯れかけて、元気がなさげなのだが、大丈夫なのかな?


「さあ、順番に祈りを捧げてください。祈りが通じれば精霊が舞い降り、加護を授けられるでしょう」


 ――しぇいれいって、どんなのかな?


 え? 毎日みてるでしょ?


 ――え~?


 トレンティーさん……もうちょっと、ソラちゃんにアピールしたほうがいいですよ?


 1番手は、自称、賢者の弟子ブーラス君だ。


「我が求めに応じ、そのお姿をお見せください」


 ごくり……と、みんなが固唾を飲み込んで見守る中……。


「認められなかったようですな。しかし、気にすることはありません。精霊に認められるのは、100人に1人程度なのです」

「はい……」


 賢者の弟子、泣きそうである。

 

 その後、数人の子が挑んだけど、何も起こらず。

 残りは、ソラちゃんとアリアちゃんと、もう1人。


「僕の名はハーベルク。我が求めに応じ、姿をお見せください」


 両手を胸の前で組み、祈りを捧げると、祠から小さな光の玉が飛び出してきた。


「おお! 精霊がお見えになりましたぞ! ハーベルク殿、あなたは精霊に認められ、加護を受けましたぞ!」

「「「おお~!」」」


 ――ソラしゃん、あれって、しぇいれい?


 いや、妖精だよね?


 え? 妖精を精霊と勘違いして、みんな今まで喜んでたの?


「では……王女の御二方、100人に1人が出てしまった後で望みは薄いですが……どちらからしますかな?」


 すげ~煽ってくるな、この人。望みが薄いってなんだよ? 確率じゃなくて、認められるかどうかだろ?


「ソラちゃん、わたくしは、少し心を落ち着ける時間がほしいので、お先にどうぞ」

「あい!」


 ソラちゃんが祠に向かってとことこ歩いて……て、あれ? わたしたちって、既に精霊の加護を持ってるけど……。


「でてきて~」


 短い! て、それって祈りなの?


 で、祠がピカァァァって輝いて、出てきましたよ。光の玉じゃない、5人の人影が。


「あら、ソラちゃん? 精霊召喚したのね?」

「しょなのかな?」


 いや、うん。多分こうなるだろうなって、思ってた。



誤字、脱字報告してもらえると嬉しいです。


――ソラしゃん、いっぱいまちがえるもんね!


そうだね……。


――いちゅも、よんでもらえて、うれち、ありがとごじゃましゅ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ