表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/291

第77話:おちゃかいで、おはなし! の、ひ!

 さて、商人の子に突撃を仕掛け、周囲の注目に耐え切れず、人見知りを発動させちゃって、学園中をなんとも気まずい雰囲気に変えてしまったわけですが、授業は毎日ありますよ。


 その中でも、特殊な授業がある。

 それは、お茶会。

 お茶会の日の1週間前にクラス外の生徒に招待状を送り、お茶会のマナー勉強と、その子との親睦を深めようという授業だ。

 ただね、王女という立場上、招待することはあっても、招待されることはないんだよね。

 招待されちゃうと、上の立場の方を呼びだすとは何事だ? 不敬だぞ、殺されたいの? って、なっちゃうらしい。


 普段は身分差を無くしている学園だけど、このお茶会は学園卒業後のことを想定していて、身分がものをいう授業なのだ。


 てことでね、同じ王女であるアリアちゃんに招待状を出したよ。


「ソラリス様、このたびはお招きいただき、光栄に存じますわ」

 

 華麗にカーテシーを決める。さすがマナーも所作もしっかりしてるね。


「しょこに、しゅわって」


 マナー? なにそれ? 楽しければいいんじゃね?

 

 ジェノさんが椅子を引き、アリアちゃんが座った。

 そしてね、招いた側が相手の好みに合わせないとってことで、アリアちゃんが好みって聞いた紅茶をジェノさんがカップに注いで。


「しょれ、まじゅいからいらない」


 なんてこったい! アリアちゃんの好みを全否定ですか!

 

「ふふふ。もう堅苦しいのは無しにしましょう! ソラちゃんが好きそうな果実水を持ってきましたのよ」


 と、侍女のラチカさんが、グラスにそれを注いでくれる。

 アリアちゃんが天使に思える。


「オレンジの果実水ですわ。今年は豊作で沢山収穫出来て、安く手に入りましたの」


 お~。妖精さんが頑張ったんだね。


「おいち~!」

「よかったですわ。やっぱり、ソラちゃんは笑顔でないといけませんもの」


 ちょっと酸っぱさがあって、その後に甘さが広がって、両手でグラスを持ってクピクピ飲んでいくソラちゃんにみんな笑顔で見詰めてる。


 そうだ、アリアちゃんに聞いてみる?


 ――しょか、ちってるかも!


 うん。この国の王女だもんね。


「おねえちゃん、ききたいの」

「え? ききたいの?」


 ん? 通じてない?

 あ~。ききたいことあるの、って言わなきゃ。


 ――しょか~!


「ききたいことあるの?」


 疑問系にしちゃダメ! それだと、アリアちゃんがソラちゃんに聞きたいことがあるのって、質問していることになっちゃう!


「ありますわよ。先日、なぜ商人の子息、モンド様のところに行ったのですか?」


 あ、繋がった。


「あのね……おはなやしゃん、しゅるのにね、ききたかったの」

「お花屋さん……ああ、お店を開く方法を知りたかったのですね」

「しょう! ちりたいの!」

「でも、商人のご子息といっても、まだ彼にはその知識がないのでは?」

「しょか~」


 うん、まあ、彼も勉強中だしね。


「ソラちゃん、一度グランゾ様に相談してみては?」

「しょうしゅる!」

「何をするのにも、資金……お金がいりますからね」

「おかね!」


 ――て、なに?


 ものを売ったり、買ったりするするときに必要なものだよ。


 て、あ~、根本的な問題があったね。

 当然ながら、資本金がない。これは、大きな壁だぞ……。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ