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第72話:ばれてな~い? の、ひ!

 始まった学園生活。それも3日目に突入。

 授業? のらりくらりとこなしてますよ?

 1番伸びたのはね~……。


 授業中に抜けだす技術かな~。はっはっは。


「今から300年前、なぜか大陸中の各地で作物が育てにくくなるという現象がおきはじめた」


 勇者で担任のリンバーグが黒板に地図を貼り付けて、農耕地を書いてるけど、なぜかは明白だろ?

 異種族殲滅なんて言いだすから、大地を潤していた精霊が怒って、みんな魔王国に来ちゃったんだから。


 ――おもちろくない。あしょびいこ。


 え、あ、ちょっと、ソラちゃん?


「むふふ」


 左右をきょろきょろ。

 アリアちゃんは黒板の文字をノートに写してるから、こっちを見てない。

 後ろの3人もきっとそう。


 椅子からそっと立ち上がって、身を屈めてぽてぽてと教室を出て行く。

 初日は見つかってアリアちゃんに戻されてたけど、そんなことで諦めるソラちゃんじゃないぞ! 

 2日目の途中からは抜けだすことに成功している。


 後ろから、リンバーグのため息が聞こえるけど、きっと気のせい。

 いや、絶対に見逃されてるだけと思うけどね。




 ふらふらぽてぽてと、グラウンドまで来た。

 そこでは、女子だけの上級生達が剣術の授業をしていた。

 もちろん、教師は勇者ではなく、別の教師だ。


 ――みんな、けんふってるね。


 素振りだね。さすが上級生、剣筋がぶれてないね。


 ――かてる?


 いや、勝負なんてしないよ?


「ちょうぶ、ちよ!」


 て、お~い。


「ソラリス様よ!」

「まぁぁ! なんて可愛らしい!」

「お一人でいらっしゃったのですね!」


 だきあげられ~の。


「白銀の髪はツヤツヤサラサラなのですね!

「わたしにも撫でさせて~!」

「わたくしも抱きたいですわ!」

「順番にね!」


 頭ナデナデされ~の。抱きまわされ~の。


 ――まけちゃったね。


 えっと……勝負の要素なんてあったっけ?


「あれ? ソラリス様って、授業はどうされたのですか?」


 ――ばれちゃう! どちよ!


 あのね、ここに居る時点で抜け出したのバレてると思うよ?


「あ! 迷子になっちゃったんですね?」

「しょなの! ソラしゃんが!」


 わたし?! ずっと一緒に居るのに?


「先生。わたしたち、ソラリス様をご自分の教室まで連れてってあげますね」

「おう! お……おう?」


 ソラちゃんを抱いた人を先頭に、ゾロゾロと全員で大移動だ!

 お手数おかけします!


 ――みんな、あたちといっちょ!


 うん? ……あ~、授業抜け出しね。しかも集団。


 て、だめじゃん!




 ガラっと、教室のドアを開けて、同級生の前に上級生が集団で登場!


「迷子になってましたので、お連れ致しましたわ」


 と、大義名分を持ったボイコット集団だぞ~。


「おかえり、ソラちゃん」

「「おかえり~」」

「た……ただいま」


 あったけぇ、みんなあったけ~な。


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