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第66話:きらきらの、ちゅかいかた! の、ひ!

「しょだ! きらきら、アリアおねえちゃんに、みしぇにいこ!」


 はい? アリアちゃんは多分、金貨なんて見慣れてると思うよ?


 ――きらきらは、パパにもらったのだけなの!


 あ~そうですね。パパから貰った、初めての宝物だもんね。


 て、ことでね。みんながアレを掃除している横を駆け抜けて、家から飛び出しましたよ。

 こうなっちゃったら、理性のわたしが抑えるなんて無理。

 流れでいっちゃいましょうかね。




 城壁の門の前で立ち止まる。

 そして、ネコさんポシェットから金貨を取り出して、それを背中に隠しながらゆっくりと門番の騎士さんに近づいていく。

 門番さんから見たら、思いっきり不審者ではなかろうか?


「な、なんでしょうか? ソラリス王女様」


 さすがに、騎士さん全員に連絡されて、わたしたちのことは知っているようだ。

 今まで見た限り、白銀の髪色を持っているのはわたしたちだけだしね。


「むふふ~」


 淑女として、その悪戯笑いはいかがなものか? 見た目4歳の6歳児に淑女も何もないけどね。


「みて~、ぴかぴか~」


 両手で金貨を持ってオデコの前で掲げる。

 自慢したいだけだった。ていうか、騎士さんなら金貨なんて見慣れているだろうに。


「おお! すごいね~。ソラリス王女様の笑顔みたいに輝いてるね」

「えへへ。パパからもらったの!」


 この騎士さん、幼児の扱いに慣れていらっしゃる。同じ年頃の娘さんが居るのかな?


「素敵なものを見せてくれたお礼に、これをあげましょう」


 と、ポケットから鉄で出来た未開封の缶を貰った。

 振ってみると、中でカランカランと音がする。


 蓋を開けてみて。


 ――あい。……かたくてあけれないよ?


「ああ。ソラリス王女様、失礼します」


 と、手を添えて開けてもらった。

 中から出てきたのは、数種類の飴玉。

 立ちっ放しの門番の人の栄養補給源なんだろうね。

 その飴玉を1つ、口の中に入れる。


「あまい! おいちいね!」

「そうでしょ?」


 ありがとうって言わないと。


 ――しょっか。


「ありがとござましゅ!」


 ぺこっと頭を下げて、逆側に居る門番さんを見ると、彼は座り込んで体のあっちこっちをまさぐっていた。

 どうやら、今度はソラちゃんがそっちに行くと予想して、同じものをくれようとしてたけど、未開封の飴缶がなかったらしい。

 そして彼は、通用門から中に駆け込んでいって、戻ってきたとおもったら、その彼の後ろにゾロゾロと大人数の騎士さん達を引き連れてきた。

 何人かの手には、大きな袋が持たれてた。


 こんなに大人数で、なんだろね?


 ――みんな、きらきら、みにきたのかな?


 見せてみよっか。


「きらきら……えへ」


 恥ずかしがりましたね? 照れましたね? 軽度の人見知りを発動しましたね?


「「「かわええ」」」


 恥ずかしがった照れ笑いが騎士さん達にクリティカルヒットしたようだ。

 てか、ソラちゃんの照れ笑いじゃなくて、恥ずかしがりながら見せた、きらきら金貨を見てやって。


「この袋の中に、お菓子をいっぱい詰めてきたから、どうぞ貰ってください!」

「クッキーとビスケット、チョコレートもあるよ!」

「ありがとござましゅ。……うんっちょ! もてないよ?」

「「「ぐは!」」」


 何人か悶絶して倒れちゃいましたが、大丈夫ですか?


「家まで持っていきます!」

「あ、あい!」


 ぞろぞろと、後ろに数十人の騎士達が袋を抱えて付いてくる。

 あんたら、仕事はいいのか? って、叫びたい。




 家まで着くと、パパ達が門のところで待っていた。


「おお!? なんじゃ、この人達は?」

「おかし!」


 違います! 騎士です!


「お菓子……さっそく金貨を使ったんじゃな?」

「あい! ちゅかった!」


 使い方間違ってますけど!


「でも、ソラちゃん。1人で外へ行っちゃダメよ?」

「あい……」


 本当に1人にしないで! いろいろと間違って覚えちゃうから!


 ……アリアちゃんのこと忘れてるな。


 

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