第25話:おはなばたけで、でーと! の、ひ!
ソラちゃんが選んだのは、青いドレスだった。
腰まである白銀の髪に、袖のリボンがアクセントになって超可愛い。
腰を振るとふわっと大きなリボンとスカートが舞って、チラチラと覗くオムツがチャームポイントだ!
なんかどんどん整った顔になっていって……鏡に写った美少女(幼女)は、だ~れ?
わたし!
あかん。目覚めそう。
これあれだ。自分に自分が恋しちゃったってやつ?
――ソラしゃんが、へんになった。
あぶね! 引き戻してくれてありがとう!
「あ~! 可愛いよ、ソラリス!」
「えへへ」
抱き上げられて、たかいたか~いされる。
もう、ソラちゃんはキャッキャと大はしゃぎ。
「グランゾ様、せっかく着付けたドレスが乱れますので、その辺にしてくださいませ」
「おお! そうじゃったの! さあ、ソラリス、お外に行こうかの」
「おしょと、おしょと~」
そのまま、太い腕に座るようにお子様抱っこされて、部屋を出て行く。
さあ! パパと久しぶりな外へ!
楽しみだね、ソラちゃん。
――あい!
「ふわ~! しゅごいきれい!」
広大な土地に区切られた花壇で、色とりどりな花が咲き乱れてる!
そよ風がさ~っと通り過ぎると、そよ風を追いかけるように花びらが舞い踊る。
この辺りは、炎の竜巻で焦土と化した場所だ。
それをパパとトレンティーさんが作り変えたのか。
素直にすげ~な、この2人。
「おはな、おいかける!」
と、降ろされたすぐに、舞った花びらを追いかけて駆け出していくソラちゃん。
て、履き慣れない靴でそんな急に走ると危ないよ!
――だいじょ。
「わ!」
すてーんと、見事にヘッドスライディング!
「うわぁ……グス……」
我慢した! よく泣かなかった! 偉いぞソラちゃん!
「ソラリス! 大丈夫か!? 怪我はないか!?」
「パパ……うわぁぁぁん!」
ダメでした!
泣き止むまで5分かかり、ようやく散策開始。
パパにずっと抱きしめられていたソラちゃんは、今では上機嫌だ。
「パパ! これ、なにっていうの?」
しゃがみこんで花をツンツンしながら聞くソラちゃん。
「ん~? なんじゃろな~?」
「じゃ、これは~?」
「分からんな~」
おいこら! 娘に花畑を自慢したいんだったら、花の名前くらい調べとけ!
「この、おはなのなまえは~……」
と、聞いた花を指差して。
「なんじゃろな。こっちは、わからんな!」
違うから! 花の名前じゃないから!
――ちがうの?
うん。この花は、絵本に出てた……。
「はっはっは。ソラリスが言った名前に決定じゃ!」
「あい!」
ちょっと待て! この親バカ! 子バカ!
トレンティーさ~ん! どこ~? 助けて~!