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第197話:ちのびよりゅ、きき? の、ひ!

 天使のけむりぼ~ん……タンドリーとの対決……してないな。まあ、その後すぐに自宅に帰還した。

 騎士さん達と兵士さん達も転移で送ろうか? って、パパが聞いたんだけど、兵士さん達が全力で断ってきた。

 まあ、尻が痛そうだったしね。落下式転移……どんな高さから落ちたんだろうね?

 そんなこんなで、みんな纏めて徒歩で王都に帰るらしい。




 自宅のリビング。

 ソファーに座っているパパに全力でじゃれつくソラちゃん。

 パパの脚にしがみついて、ズボンを掴みよじ登り。

 膝上に到着したらそこにちょこんと座って。


「でへへ~」


 パパにテレながら笑いかける。


「お転婆じゃの~」


 パパもデレデレになって、ソラちゃんの頭をなでなで。幼児特有の艶があってふんわりした髪がぼさぼさになる。

 ソラちゃんも負けじと、パパの懐に進み、パパの胸……腹の上辺りに頭をグリグリ撫でつけ。

 あまっあまでお花が咲いた幸せ空間の出来上がり。

 外見年齢30歳手前ほどのパパと、外見年齢3歳のソラちゃん……まあ、親子だね。こういう場面も、親子なら問題なし?


 で、普段はソラちゃんの髪がぼさぼさになると、すぐにジェノさんが止めに来るんだけど、そのジェノさんは今キッチンで料理中。


「そう、ニンジンは細かく刻んで。ソラ様が気付かないくらいにね」

「なるほど。見えなくすることによって、嫌悪感を感じさせないと……。さすが師匠ですね」


 うん。弟子になった天使のタンドリーさんと料理中なんだ。

 なんか、ニンジンの小細工の会話がキッチンから駄々洩れだけどね。オープンキッチンでダイニングとリビングは壁無しで繋がってるからね。

 ソラちゃんは今、パパにデレデレ中。

 よかったね、会話を聞かれなくて。

 

「ニンジンの味も、その他の材料の味と少量の調味料で誤魔化してね」

「ふむ。材料の組み合わせや焼き加減、調味料の配分でも味が劇的に変わっていく。料理も奥が深いですな」

「そうよ! そして、徐々に慣れさせていって、いつかはニンジンだけの料理を笑顔で食べてもらえることが目標よ!」

「師匠! 究極のニンジン料理を目指して頑張りましょう!」


 タンドリーさん、あんた錬金術師じゃなかったのか? いつの間にか料理人になっちゃってるぞ?


「ソラちゃん、もうすぐ料理が出来そうだから、ジェノに怒られる前に髪を整えましょうね」


 トレンティーさんが櫛で髪の毛を梳いてくれる。

 

 ――これ、きもちいい。ちあわちぇ~……。


 そうだね。わたしもこれ好き。


 長い髪の毛を櫛が流れる? 撫でる? 感触が気持ちいいんだよ。

 自然とトロ~ンとした顔になっちゃって、今まで騒いでたのに大人しくなっちゃうよね。


「しかし、ニンジンのフルコースなんて、俺は嫌だぞ」

「……私もよ」


 ニンジン嫌いじゃない人だって、誰でも嫌だと思うよ?



 

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