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第195話:ちらない、あしょび? の、ひ!

 昼食後、ジェノさんと馬車の中でキャッキャウフフしながら歯磨きを済ませる。

 パパに魔改造された馬車は、見た目はちょっと大きい普通の馬車なのに、中は一軒家のようになっている。

 リビングはあるし、部屋も数個あるし、寝室もバスルームもトイレだってある。

 キッチンまで完備してて、そんな馬車で不思議に思うことがる。


 それは、水はどこから来てるんだろう? てこと。

 キッチンもそうだけど、トイレも水洗なんだよね。バスルームなんて、大量の水が必要でしょ?

 そして、排水はどこに消えてるんだろう?


 ――パパのまほ~、しゅごいね!


 そうだね! あっはっは!


 うん。パパは凄い! これで解決だ!




 

「じゅんび、できたよ~!」


 元気な掛け声と共に、馬車から飛び出し――……ジェノさんに抱きかかえられながら外に出る。

 うん、昇降台の段差は危ないですからね。


「そうですか……」


 パパとトレンティーさんとお茶を飲んでいた天使が席を立つ。

 ……馴染み過ぎじゃないですか? 


「まだ茶請けが残っているが、どうするかの?」

「あ、包んでもらうことは可能でしょうか?」

「はい、待っててね~」


 トレンティーさんが、大きな葉っぱを召喚して残ったお菓子を包んだ。

 その葉っぱって、世界樹の葉じゃないかな?

 いや、問題はそこじゃない……そこも、問題だけど! この天使さん、仲良くなりすぎ。


「さて、こちらも準備しましょう」


 天使さんが手を上げると、後方の平原で蠢いていた瘴気が一回り大きくなった。


「先日、モンスターが全滅させられましたから、新たに瘴気からモンスターを生み出させてもら」

「『ぴゅりふけちょちょ!』」


 浄化の光が迸り、巨大化していた瘴気の塊を消滅させちゃった。


「……」


 瘴気があったところを呆然と見つめてる。待っててくれたのに、なんか、ごめんね?


「ソラリスを待っている間に用意しておいたらよかったんじゃないかの?」

「準備まで待っていることはなかったのよ? 真面目さんかしら?」

「……」


 パパとトレンティーさんを見詰める瞳に、光は灯ってなかったよ。


「どちたの? いまから、あしょぶんでちょ?」


 天使さんの目の前まで歩いて行って、下から見上げながら声をかける。


「……遊び……ではないですが……」


 天使さん、耳まで真っ赤になってる。ソラちゃんの上目遣いに、テレテレになったな?


「私が得意なもの……錬金術で勝負してあげましょう」

「しゅごい! れんきんじゅちゅ!」

「ふふふ」


 ソラちゃんの反応に、どや顔ですね。


「……れんきんじゅちゅって、なに?」

「……」


 上げて落とす!

 いや、悪気は無かったんです。ソラちゃんは本当に知らなかったんです。

 ほら! 小首を傾げているソラちゃん可愛いでしょ!

 ……ダメですか?



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