表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/291

第187話:じゃまちちゃ、だめ! の、ひ!

 到着した花畑には、色とりどりな花が咲き誇っている。

 ソラちゃんのことが大好きな妖精達が、過剰なほど力を注ぎ、季節なんて関係なく、常に満開状態になっているよ。


「わ~! おはな、いっぱ……」


 駆け出して花畑に突入しようとして、咲いている花を跨いで行こうとした寸前で動きが止まる。

 咲いているのは、高さ15センチほどのパンジー。

 

「しゅかーと、つかえちゃうね。このおはな、しぇがたかいね!」


 ……花は普通の高さである。

 ソラちゃんの股下は35センチ。加えてロングスカートのワンピースだから、片足を大きく上げても、跨ぐにはスカートの裾がギリギリ花に引っ掛かる。

 ちなみに、4歳手前でのソラちゃんのサイズは、身長99,体重14キロ、B51,W48,H53である。(ジェノさんの記録ノートから)

 そして、現在7歳手前のサイズは、4歳手前のサイズとまったく一緒。

 まったく成長してません。


 ――ちてるち!


 だ、そうです。


 ――もぉぉぉ! しょんなこと、どうでもいいでちょ!


 うん。どうでもいいね。成長が止まっちゃったことを言っても、悲しくなるだけだし……。


「ソラリスや。ちゃんと歩ける道を作ってあるから、おいで」

「あ~い!」


 パパに呼ばれて、パパの脚に両手両足を使ってしがみつく。

 パパが歩くだけで、しがみついたままソラちゃんも移動していく。

 手を繋いで歩きたいけど、3メートルのパパの手に届かないから仕方ないね。


「よし、着いたぞ」

「ここで、なにしゅりゅの?」


 パパの脚から降りたところは、花畑の外周かな。

 花畑の淵からは草原が広がっていて、少し離れたところには森が見える。


「草原の草を抜いて、土を掘り返して畑を広げようかの」

「くしゃぬき、しゅる~!」


 しゃがみこんで、小さな手で草を1本掴んで、プチ! 掴んで、プチ!

 

 周りの草を抜くだけで、日が暮れちゃいそう。


 ――がんばってりゅの!


 うん、それは分かってるんだけどね。


『グギャァァァ!』


 森からゴブリンが駆け出してき――。


「じゃまちないで!」


 抜いた草を投げつける動作で光の玉が飛んで行って、それに当たったゴブリンが消滅しちゃった。ちなみに、草は目の前に落ちました。


『グガァァァ!』


 あ! 今度は大きな熊、ジャイアントベアの集団が!


「もぉぉぉ! パパとあたちのじゃまちちゃだめ!」


 立ち上がって両手を左右に広げると、周囲の数百本にも及ぶ草が抜けて浮かび上がって、草が光に包まれて、それが矢になって飛んで行った。

 そして、串刺しになって倒れこむジャイアントベア。


「ちじゅかになった! くしゃにゅき……ありぇ?」


 不思議だね~。さっきまで沢山あった草は、どこに消えたのかな?


「パパ、くしゃにゅき、おわった!」

「そうじゃな……。早いの……。草を一生懸命に抜いている姿を眺める至福の時間が、あっという間に終わってしもうた」


 凄くしょぼんとしちゃった。

 それもこれも、邪魔しに来たモンスターが全て悪い! 不機嫌になったソラちゃんは、わたしじゃ制御不能なんだからね!


「パパ、ちゅぎは、ちゅちでちょ?」

「おお! そうじゃ! 土を掘り起こして、柔らかくするんじゃ!」


 パパ、よかったね! まだソラちゃんとの作業が残ってたよ!


「その前にじゃ……。妖精達よ」


(((はい!)))


 花畑から、凄い数の妖精たちが出てきてパパの前に整列したよ。


「おぬしらに力を与える。森と周囲のモンスターを殲滅せよ」


(((いえっさー!)))


 パパも、ソラちゃんとの時間を邪魔されて怒ってた。


 モンスターよ、この2人の邪魔をしちゃダメだよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ