第182話:のうりょくしょくてい! の、ひ!
暑さで書くのが遅れがちです>< ごめんなさい!
いつも読んでくれてありがとうございます!
休日前の学園。
なんとかこの日も全ての授業を終えて、皆も帰る準備を始めている。
ソラちゃんも、ジェノさんが荷物を纏めるのを待っている。
――ソラしゃん、あちたは、あしゃからぼうけんしゅるでちょ?
う~ん。朝から行っても、出来るのは街中のお使い程度だからな~。
ジェノさんが離れて付いてきてくれるから1人ではないけど、退屈なんだよね……。
――みんなといっちょにちたらいいね!
はい? あ、ちょっと……。
「あのねあのね! ぼうけんちゃになろ!」
帰る前に談笑してたフェルノ君とベエルフェッド君に突撃!
まあ、2人は困った顔になってしまうわけなんだが……。
「ああ……えっと、貴族が冒険者になるっていうのは、ちょっとね……」
と、フェルノ君がソラちゃんの頭を撫でながら言う。
「ソラちゃんには、領地を助けてもらった恩はあるけど、俺もフェルノも嫡男……次期領主だからね」
モンスターから領地を守るために剣術と魔法の授業はあるけど、実際に戦闘に関わるのは次男から下の子供たちで、それも冒険者じゃなくて騎士になるらしいね。
長男でも戦闘能力が高ければ騎士にはなるんだそうだけどね。
女子でも女性騎士や宮廷魔導士にはなるみたいだけど、貴族で冒険者っていうのはないみたい。
「ええ~! いいでちょ、いいでちょ!」
フェルノ君の脚にしがみつき、腰をフリフリ。
「「くっ! かわいい……」」
追い打ちでしがみついたまま上目遣いで。
「おにいたん……ぼうけんちよ?」
「「ぐはっ!」」
トドメの一撃が2人の精神を削り切った。
ソラちゃんの我儘……可愛さには抵抗できないよね。
翌日。
冒険者ギルドの前で2人を待っていると、2人が一緒に連れ立って来た。
2人とも、新品な革鎧と腰には一般的な剣が差されていた。
「おなじの?」
うん。まったく同じ装備で来たね。
「ああ、これ? 今日はお忍びで平民として来たからね。これはここに来る途中で、一緒に武器屋で買ったんだ」
なるほど。貴族として用意されたものではなく、自分たちで自費で揃えたと。
2人は身が引き締まって程よい筋肉がついて、いかにも剣士タイプだから、その装備は間違ってないね。
でもね……受けれる依頼は、街中のお使い程度だから、そんな装備はいらなかったかも。
早速、受付まで行って登録だ!
「俺はフェル、12歳」
「ベル、同じく12歳だ」
2人とも家名を名乗ってないし、平民としての偽名を使ったみたいだね。ただし、言い方が上から目線っていうか……。
「はい。新規登録ですね」
荒くれ者の冒険者に慣れている受付のお姉さんは、そんなことを気にしないみたいだね。
「12歳ということで、能力測定を受けて、その結果で最大Dランクからの登録が可能ですけど、どうしますか?」
そんな登録方法もあるんだね。ソラちゃんの場合は記入登録だったけど。
「あたちも、しょれしゅる!」
興味を持っちゃったか~。
抱かれていたジェノさんからカウンターの上に飛び降りて、受付のお姉さんの目の前に座り込んで、むふふ~! と、お姉さんとにらめっこ。
「これでランクを決定するのは、10歳以上からですけど……」
「ソラ様が興味を持ったのは、能力測定だけです。ランクはそのままでいいので、測定だけお願いできるかしら?」
ジェノさんの言葉に、ソラちゃんに見詰められ、デレデレと頬を緩ませたままのお姉さんは、こくりと頷く。
「では、この魔道具に右手を着けてくださいね」
差し出された台座の上に水晶が乗った魔道具に、右手をペタッと貼り付ける。
――ソラしゃん! じぇんりょくだしょ! いんちかいほ~! ソラしゃんも!
ええ~……。まあ、測定するだけならいいけど。ブレイブ!
水晶が光輝き、測定結果が宙に浮かび上がったよ。
ソラリス:半神聖女
HP:20
魔力:∞
攻撃力:SS
防御力:A
魔法攻撃力:SSS
魔法防御力:SS
魔法制御:E
知力:E
精神力:D
魅力:SSS
「「「これは……」」」
どこの戦闘民族ですか?
聖女のステータスじゃないですよね!?
「で、あなた達は測定します?」
「「Fランクからでお願いします!」」