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第174話:ほ~しゅ~、いっぱい! の、ひ!

誤字脱字報告、ありがとうございます!

 冒険者活動2日目!

 相変わらずジェノさんに抱かれ、冒険者ギルドに来たよ。

 周りから見れば、ソラちゃんを抱いているジェノさんが冒険者だよね?


「いらい、かんりょ~ちた!」


 パパのサインが書かれた依頼票を受付のお姉さんに手渡す。


「はい。よく頑張りましたね」


 頑張った結果が、床破壊とパパ地中埋め込み事件なんだけど。

 そんなことを知らないお姉さんは、依頼票に処理済みのハンコを押した。


「はい、依頼主さんからの報酬の飴玉ですよ」


 飴玉を1つ受け取り、すぐさま口の中へ。

 

「あま~い! ほ~しゅ~のあめだまは、おいちいね!」

「よかったですね」


 お姉さんもジェノさんも、ソラちゃんの喜びににっこりと笑顔だ。


 でもね、依頼主ってパパでしょ? 普段もパパからお菓子を貰って食べてるから、それが報酬に置き換えられただけなんだよね。

 いや、喜んでいるから言わないけどね。


「あ、ソラリス様、また指名依頼が来ているんですけど」

「あら? グランゾ様の依頼は昨日のみだったはずですけど」

「今回はマナファリス様からですね」


 お姉さんは依頼票をカウンターの上に置いて、依頼主の名前が書かれているところを指差してきた。


「まなふぁり? だれ?」

「ソラ様、ばぁちゃ様ですよ」

「ばぁちゃ! これやる! はやくいこ!」


 依頼票に受理のハンコを押してもらい、孤児院に向かったよ。




「ばぁちゃ!」


 孤児院に着いてすぐに、ばぁちゃに向かって駆け出す。


「あら、ソラちゃん来てくれたのね」


 脚にしがみついたソラちゃんの頭を優しく撫でてくれる。


「あ、ソラおねえちゃん!」


 ソフィアちゃんが駆け寄ってきて、お互い抱き合ってご挨拶。

 抱き合って改めて分かったが、すでにソフィアちゃんにも完全に身長が追い抜けれちゃったね。


「ソラお姉ちゃん、こんにちわ」


 マリーちゃんも来て、3人で手を繋ぎ輪を作ってその場で飛び跳ねる。

 平和だな……。


「ソラちゃん。早速、依頼をしてもらいたんんだけど、いいかしら?」

「まかしぇて!」


 自信満々ですね? 昨日パパがどうなったか、もう忘れましたか?


「じゃ~、今日は花壇を作ってもらうわね」

「おはなばたけ!」


 いや、ソラちゃん? 花壇は花畑とは違うからね? 畑なんて規模で作ったら、孤児院が花で埋まっちゃうから。


 ――しょか~。


 で、ソフィアちゃんとマリーちゃんの3人で、孤児院の端っこの雑草を取り除き、土を泥遊び用のスコップで捏ね繰り回して、レンガで囲いを作る。


「よいちょ! よいちょ!」


 レンガ1つを両手で抱え、よたよたと歩く。

 それをばぁちゃが受け取り、レンガを並べていく。


「形は完成ね。後は種を植えて、水撒きね」


 指先で小さな穴を開けて、そこに種を植えて優しく土をかぶせる。

 そして、小さなバケツに水を入れて、それをソフィアちゃんと2人で持ってよたよたと歩き。


 ――よたよたちてないち!


 うん、そうだね……。

 よちよち歩きだったね……。


 ――もぉぉぉ! ジェノしゃんにおこられるようなことちて、おこられるときに、こうたいちてあげる!


 ごめんなさい!


「はい。水撒きは終わりね。それじゃ、ソフィアちゃんとマリーちゃん、2人で魔力を流してみて」

「「は~い」」


 2人が花壇の前に座って両手をかざして、花壇に魔力を送る。

 2人は妖精から植物の成長促進の加護を貰っているから、どうなるか楽しみだね。


 しばらくすると、土から芽が飛び出してきた。

 でも、それだけで止まっちゃう。

 それだけでって言ったけど、すぐに芽を出すなんて普通はあり得ないよね? それに、これが普通の成長促進であって、いきなり花が咲くまで成長させちゃうソラちゃんが凄すぎるんだよね。


「はい。ここまでね。花壇は完成ね。次は中に入って、クッキーを作りましょうね」

「ちゅくる~!」

「「がんばる~!」」


 孤児院のキッチンに入って、ばぁちゃに教えてもらいながら生地をこねこね、いろんな形に整えて、かまどのオーブンで焼き焼き……。

 こんがりサクっと上手に焼けました~!


 ――まちた~!


 そのまま焼きたてのクッキーを冷ましながら3個ほど食べて、残りはばぁちゃが小さな箱に詰めて。


「はい、これを受付のお姉さんに渡してね」

「あい!」

「「おねえちゃん、またあそぼ~ね!」」

「またね~!」


 遊びじゃなくて、依頼の仕事で来たんですよ! 楽しかったけどね!


 手を振り別れ、ギルドに到着~!


「はい、これ!」


 お姉さんにクッキーの入った箱を渡し。


「はい。依頼完了です。では、これが依頼の報酬です」


 クッキーの入った箱を貰った!


「やった! ほ~しゅ~! おかち!」


 自分で作ったクッキーが報酬でした。


 ……あれ? これって、依頼という名の情操教育されてんじゃない?


「おっかち! おっかち!」


 クッキーの入った箱を高く掲げて飛び跳ねて嬉しさが爆発してる。


 まあ、いっか。ソフィアちゃん達とも遊べたし、わたしも楽しかったよソラちゃん。


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