表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/291

第170話:ちけんに、たいろなち! の、ひ!

 ベエルフェッド君の領地を大自然に囲まれた秘境にしちゃったあと、王都に帰ってきた。

 疎開していた村の人たちも、村に帰ってくるだろうね。

 村の復興というよりは、開拓に近いことになっちゃってるけど。


「でね、でね! どろがべちゃ~ってなって、みじゅがどば~っておちて、にじがきれいねって!」

「そう……なんですか。俺の領地は助かったん……ですね?」


 久しぶりに学園に登校して、事の顛末をベエルフェッド君に説明を……出来てないね?

 ベエルフェッド君も、隣で話を聞いているアリアちゃんも、苦笑いを浮かべているよ。


「ジェノ様から話を聞いたのですが、グルンド王国と戦争が起こったと……」

「しぇんしょう?」


 なんのこと? と、小首をこてんと傾げる。


「かっ……可愛い! あ、こほん! ではなくて、5000人の兵士が攻めてきたと聞いたのですけど、ソラちゃんはその場に居なかったのですか?」


 アリアちゃん、王女の威厳が剝がれかけたね。まあ、それはいいとして。ソラちゃんはね、しっかりと、その騒動の中心で……。


「いっぱいのひとと、どろあしょびちた!」

「「泥遊び……」」


 実際に、戦ってないしね。


 ――たのちかったね!


 うん。楽しかったね~。

 

 でもね~、ソラちゃんはいっぱい楽しめたみたいだけど、空高く舞っての急降下だけはやめてほしいな。わたしが高所恐怖症になっちゃうかも。




 から~んから~んと、今日の初めの授業開始を知らせる鐘が鳴ると、リンバーグさんが教室に入ってきた。

 アリアちゃんに抱きかかえられ椅子に座らされると、アリアちゃん達も慌てて席に座った。


「ん? いつもは既に席に座って待っているのに、今日はギリギリまでおしゃべりしてたのか?」

「ソラちゃんから、休んでいた間のことを聞いてましたの」

「ほ~、それは俺も興味があるが、それよりも今日は大事な試験の日だ」


 ――ちけん!


 絶望的ですね。


「てことで、ジェノ殿! アリアとソラちゃんの間に座ってもらえますか」

「はい。ソラ様、頑張りましょうね」


 これは……逃げ封じか!


「しゅくふく、ちにいかないと!」


 椅子から飛び降り、出入り口に……。


「ソラちゃん、ここで私も見てるから、頑張って!」


 アヤネちゃんが出入口を塞ぐように立ってた。

 完全に退路を断たれちゃったね。


 ソラちゃん、ここは大人しく試験を受けようか?


 ――ちかたないでしゅね!


「アリアおねえちゃん! だっこちて!」

「はい。どうぞ」


 抱きかかえられ、そのままアリアちゃんの膝の上に。

 ふっふっふ。アリアちゃんの書いた答えをそのまま写しちゃえ作戦! カンニングし放題だね!


 ――かんぺきだね!


「ジェノ殿……」

「はい。ソラ様はこっちの席ですよ」


 ジェノさんに軽く抱き上げられ、元の席に戻されちゃった。

 やっぱり、堂々とカンニングはダメですか? 


 ――ゆうちゃぁぁぁ!


 そ、ソラちゃん! とりあえず落ち着いて! 名前だけでも書こう! ね?


 結果? 言わなくてもわかるよね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ