表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/291

第149話:おとこは、ダメダメね! の、ひ!

 トレンテーしゃんが、てをふると、きときのあいだに、にじいろにかがやくゲートができた。

 

「グランゾの城まで繋げたわ。行きましょう」


 トレンテーしゃんが、しゃいしょにゲートにはいっていって、しょのあとに、アデルとナディアが……って、精神をしっかり保て!

 精神が見た目通りの3歳児になっちゃってるぞ!


『ちちゅれいちちゃう! ろくしゃいじでちょ!』


 見た目は3歳児でしょ~。……て、禁断症状が出てきたな。

 早く元の世界に帰って、ソラちゃんに会いたいな……。


「ソラちゃん、歩きにくいのですか? 私が抱っこしてあげますね」


 と、ソラちゃんとの会話を妄想していたら、勘違いしたナディアに抱きかかえられたよ。

 ナディアは、身長160センチほどの、この世界ではちゃんと成長した超絶美少女のソラちゃんである。

 少女のソラちゃんが、幼女のソラちゃんを抱っこする……。

 う~ん……なんていうか、こそばゆい感じがする……。

 ここは、この気持ちを誤魔化そう……。


「ナディアしゃんのむね、トレンテーしゃんよりも、おおきいね」

「「……え?」」


 わたしの言葉にアデルとナディアは動きを止めて、ゲートからは向こうに行ったはずのトレンテーしゃんの顔がにゅっと出てきて。


「は・や・く、いらっしゃい?」

「「「――!? ごめんなさい!」」」


 ゲートから、顔だけ出してきたトレンテーしゃんのこめかみに青筋が浮いてて、ちょっと怖かったでしゅ!

 いまのわたしは、精霊に近い精神生命体だけど、ちょっと漏らしちゃったかもでしゅ!

 向こうの世界に帰ったら、ソラちゃんにトレンテーしゃんの胸のことは言わないように言い聞かせないと!




 ゲートから出ると、目の前は魔王城だった。

 ナディアに抱かれたまま、辺りを見回す。


 何もない……。氷が溶けて出来た湖も、ソラちゃんが作った花畑も、お漏らしで干された白いベッドシーツも……。

 何よりも、あったかぽかぽかの太陽が……って、それは今が夜だからか。

 でも、夜には綺麗な星が見えてたんだけどな……。


「にゃにもない……しゃびちいね。おしょらも、くろいくも……」

「黒い雲? それは天候結界ね」


 皆で、空を見上げる。黒く厚い雲が、動くことなく魔王国を覆っている。

 この天候結界がないと、人族が転移魔法で攻め込んできちゃう。この暑い雲が、転移阻害の役目を果たしてるんだ。

 

「おや? 何か強い力を感じて出てきたんじゃが、トレンティーや。その人たちは誰かの?」


 3メートルはある大きな巨体が、お城の大きな扉を開けて立っている……。

 溢れる感情が抑えきれなかった。


「パ……パ……パパ!」


 ナディアしゃんの腕を振りほどき、因子開放でパパの胸に飛び込んでいく。


「おっとっと! 可愛い子じゃの。俺がパパって、どういうことじゃ?」


 パパは抱き止めてくれて、頭を優しく撫でてくれる。

 この世界でも、パパは優しいままだ!


「パパね、むこうのしぇかいで、たちゅけてくれて、パパになってくれたの!」

「う……うん? この子は、そっちの2人の子じゃないのかの?」

「まだそういう関係じゃありません!」

「まだそういうことしたことないです!」

「「「……」」」


 アデルよ、もっとこう……行為の有無じゃなくて、他にも反論の選択があったじゃん?

 どうすんの、この空気?


「あ~……今日は泊まっていくじゃろ? 2人は同じ部屋にして、防音魔法もかけてやるからの」

「「別々の部屋でお願いします……」」


 パパも、ダメダメだったよ。

 あたちは、パパといっちょにねるけどね!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ