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第145話:ソラしゃん! の、ひ!

「たぁ!」


 因子開放しての全力パンチ!

 盾に拳が当たった瞬間、盾の表面の曲線で拳が滑って、勢い余ってオデコが。


 がぁぁぁん!


「いちゃい!」


 聖騎士は数メートル吹っ飛んだけど、ソラちゃんも痛さで転げ回る。

 でね、ソラちゃんがピンチになると駆けつけてくる人って居るじゃん?

 そう、ヒロインを救うヒーロー!


「何やらかしてんの! ソラ様を傷けるなんて、このジェノが許しません!」


 ただの自爆なんですけどね。


 ジェノさんは右拳に光を纏わせて、聖騎士に殴りかかっていく。

 盾と拳がぶつかり、魔法を消そうとする力と、押し通そうとする力でバチバチと火花が散る。


「私のソラ様を愛する力が、その程度で消せるわけないでしょぉぉぉ!」


 ジェノさんの拳が一際鋭く光り、拳を激しく打ち付けられた盾が砕け散った。

 ていうか、光って、魔力じゃなくて愛力だったのね。

 

 盾を失った聖騎士は、もはやただのサンドバッグ。ジェノさんの連打を浴びて、鎧さえも形を変え、地面に倒れ伏した。

 エルフって、魔法と弓で繊細に戦うイメージだったけど、ジェノさんって格闘エルフだったんだね~……。

 

 ――ジェノしゃん、いちゅもあたちをだいてるち、きたえてりゅんだね。


 そうなのかな? 鍛えてるっていうよりは、欲望を満たしてるって感じだけど……。


「ソラちゃん! 私も助太刀に来たよ!」


 アヤネちゃんも参戦!

 アヤネちゃんが腰に差した剣を抜き放つと、聖騎士の盾が真っ二つに切れた。

 そして、そこからは剣と剣の打ち合いになる。

 剣を振るたびに揺れる狐のふわふわ尻尾。

 鮮やかに煌めく剣技よりも、動くたびに揺れる尻尾に目が奪われて……。


 ――ぎゅってちたくなってきた!


 今はダメだからね!? 帰ってからゆっくりじっくり抱きつかせてもらおう?




 と、そんなソラちゃんを宥めていると、大方の戦局は決していた。

 ボロボロな聖騎士達。殺してないよ? 国際問題になっちゃうし。まあ、ボコった時点で手遅れのような気もするけど。


 それに比べて、こっちはソラちゃんの回復魔法もあり、無傷で未だ闘気を放っている。

 そんな中でも、ソラちゃんが傷付けられたと勘違いしてぶちキレしているジェノさん。

 この状態のジェノさんが居るだけで、過剰戦力なんですけど……。


 聖騎士達を殺すわけにもいかず、様子を見ていると、ボロボロな聖騎士達が一か所に集まり、黒い水晶のような物を地面に叩きつけた。

 割れた水晶から黒い靄……瘴気が噴き出し、上空に立ち昇っていって、瘴気が集まり人型になっていく。

 そいつは瘴気の中から漆黒の翼を広げ、存在感を増していき。


「どご~ん!」


 隕石が、宇宙から降ってきたよ。そしてね、変形途中の何者かに綺麗に命中。


 ちゅどぉぉぉん!


『ぐうおぁぁぁ!』


 軽く吹き飛んで行ったよ。


「「「……空気読まない白銀の幼女こゎぃ」」」


 わたしも聖騎士達に同意していいかな? いきなりでビックリしたもん。


 地面に横たわっていたそいつはゆっくりと浮かび上がり。


『ぐははは! 我が名は大天使グリルチキン!』


 ――いきてた!


 だね~。右半身が砕け散ってるけど。全身もこんがりと焼けてますね。


『先ほどの攻撃で聖女だと確信したぞ!』


 聖女要素はどこに存在していたんでしょうか?


『その力と体、我が貰い受けよう! 精神支配!』


 あ……油断した。

 

 瘴気に体が包まれたと同時に、わたしはソラちゃんから弾き出され、空間の裂け目に吸い込まれ、この世界から消滅した。


 

次話からちょっとシリアスな展開になるかも……。


――だいじょぶ? しりあしゅ、にがてでちょ?


頑張る……。


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