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第136話:まじめになりゅ! の、ひ!

 大氾濫を解決してからの、あのジェノさんのお怒りの言葉にはショックが大きかったね。


「お勉強をさぼったら、おやつ抜きですからね!」


 幼女のソラちゃん、凄くショックを受けたね。皆の前でお漏らししちゃった以上のショックだったよ。


 ――ソラしゃん! あたち、いままでよりも、まじめになりゅ!


 うん。がんばれ~!


 最底辺だった真面目さが、これからどこまで真面目になるのか……。




 教室の席について、真面目に授業を受けてるよ。

 教壇には勇者のリンバーグさんが立ち、昨日の王都防衛戦の解説をしている。

 王都では、勇者を先頭に騎士団や兵士も出動したようだ。

 その防衛戦よりも遥かに先の最前線では、ソラちゃんが大暴れしてたんだけど、そこのところは解説されてないね。

 

「でだ、防壁の上に配置された弓兵は、ぎりぎりまで敵を接近させてから矢を放ったが、どうしてそこまで接近させたか、分かる奴はいるか?」

「あい! あい!」


 椅子の上に立ってピョンピョンと飛び跳ねる。

 真面目っていっても、そこまでアピールしなくても。


「……ソラちゃん、答えてくれ」

「ちょっとちか、とばないから!」


 それ、わたしのこと言ってるよね! わたしだけだったら矢は5メートルも飛ばないけどさ!


「う~ん、まあ、正解にしとこう」


 まさかの正解だった?!


「弓には、最大飛翔距離と、有効射程距離がある。今回のような場合、最大で飛ぶ距離よりも、最大に有効なダメージを与える距離が大事になってくる。また、個対個で狙うよりも、集団による一斉射の面制圧によって」

「ゆうちゃぁぁ!」


 机を平手でバァァァン! 隣のアリアちゃん、ビクっとしてちょっと仰け反った。

 驚かせてごめんね。わたしもビックリしたんだよ?


「ど、どうしたソラちゃん?」

「むじゅかちくてわかんない! ゆうちゃのばぁぁぁか!」


 ぶん投げたブーメランが戻ってくるぞぉぉぉ!


「あ~。皆に問う。難しかったと思うものは手を上げろ」


 手を上げたのは、アリアちゃん、フェルノ君、ベエルフェッド君、クロースちゃん、そして当然両手を上げているソラちゃん。まあ、クラス全員が手を上げているわけだけどね。

 ソラちゃんのための援護かな?


「うむ。1年目では難しかったか……」


 アリアちゃんは理解してそうだけど。


「ゆうちゃ! あたちのかちゅやく、はなちて!」

「聞きたいですわ!」

「「だな!」」

「是非ともお願いします!」


 ソラちゃんフィーバーだ! やっぱり人気者だな~。


「残念ながら、俺は見てないから分からん」

「えう!」


 あの場に勇者は居なかったから、当然だわな。

 ていうか、ソラちゃんが真面目に教室に居るだけで授業崩壊してるんじゃないかな?


 真面目とは、いったい何なんだろうか?


 

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