表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/291

第135話:だいはんらん! の、ひ!

 ぴゅりふけーしょん。頭の中に浮かんできた浄化の魔法。

 これね、ソラちゃんだと、ぴゅりふけちょちょ! になっちゃう。

 で、ソラちゃんの意見としては、わたしのほうが合わせないとダメらしい。


 ――あたりまえでちょ!


 と、いうことらしい。


 1回目失敗したから、ちょっと不機嫌なんだよね。


 ねえ? 聖魔法で攻撃ってあるの?


 ――むっふっふ~。


 あるらしいです。わたしの中にもその魔法が浮かんできました。

 あとは合わせて唱えるだけ。


 右手をオーガロードに向けて。


「『じゃっじめんと!』」


 オーガロードの真下に魔法陣が浮かび上がって、ばしゅん! と、光の柱が噴出しましたよ。

 いやね、伸ばして向けた右手から何かが飛び出るのかと思ってましてね?

 誰だって思うよね? 伸ばした右手の意味は? 


 オーガロードは、じゃっじめんとにより、右半身がごっそりとなくなっていた。

 周囲の瘴気も消し飛ばしている。


 ――やっちゃ?


 あ、ソラちゃん、それ言っちゃダメなやつ。


 ――えうぅ?!


 ほら、瘴気がオーガロードに集まっていくでしょ?


 そうしたらどうなるか? 答えはね、体の回復ですよ。

 回復だけじゃなくて、瘴気を取り込んで一回り大きくなってるし。


 ――じゅるいぃぃ!


 ほんとにね! 


 根本的な問題として、今の状況を打破しないといけない訳で。

 で、今の状況っていうのは、際限なく溢れてくる……。


 ――ソラしゃん! おちっこちたい!


 際限なく溢れる尿意!

 違うから! 違わないけど違うから!

 早く瘴気をなんとかしないと! ソラちゃん! もう1回浄化をするよ!


 ――え~?


 わたしが合わせるから~! いくよ~!


「『ぴゅりふけちょちょ!』」


 胸の前で手を組み、祈るようにして唱えると、その手に光が集まって大きくなっていって、その光を弾くように両手を広げると、全周囲に白銀に輝く光が広がっていった。

 白銀の光は、瘴気から生まれたモンスターを全て掻き消し、瘴気も光に変えて消していった。

 瘴気を纏ってないオーガロードなんて、大きくてもただのオーガロードだ。


「『じゃっじめんと!』」


 オーガロードの足元から噴き出した光が収まると、そこにはオーガロードの姿はなかった。

 大氾濫によって溢れたモンスターも、ボスのオーガロードも、元凶の瘴気も完全消滅だ!


「かかか! さすがは姫さんですね!」


 駆け寄ってきたホーネさんに抱き上げられた。

 ホーネさんはアンデッド。浄化の光は大丈夫だったのかな?


「ほねしゃん、だいじょぶだったの?」

「はい! 優しい光だったですよ」


 骸骨だから分かんないけど、微笑んでくれているんだろうな~。

 ま、ホーネさんは元勇者のアンデッドだからね。聖なるアンデッドって感じだし、浄化の影響は受けないんだろうね。




 皆の元にホーネさんに抱かれたまま戻ってきた。

 ホーネさんから降ろされると、戦い終わって疲れているはずの皆が集まってきて、騒ぎ出す。


「凄い戦いぶりだった!」

「そうね! 回復も凄いし、攻撃魔法も凄いのね!」

「ソラちゃんってあれよね? 今街で話題の聖女様!」

「ああ! その聖女様の最後の浄化も凄い! 戦狂聖女って感じだよな!」


 ちょっと! 戦狂はないんじゃないかな!? ソラちゃんは戦いを楽しんでたけど!


 ――あたち、しぇんきょうしぇーじょ! やっちゃね!


 あ~うん。ソラちゃんが嬉しいなら、わたしは何も言わないよ?


「あたち、しぇんきょうしぇーじょ!」


 後ろ腰に手を組み、右足を少し前に出して首を傾げる。


「「「めっちゃかわいい」」」


 魅了完了! て、ポーズは可愛いけど、称号は物騒だからね! ポーズに称号が合ってませんよ!

 ……家に帰ったら姿見の前で同じポーズをとってみよ。

 ソラちゃんの視界と共有だから、感覚的にはどんなポーズしてるか分かるけど、可愛いポーズが見えないんだよね。


 あ、そういえば、シ~シ~我慢してるんじゃなかったっけ?


 ――あ。


 あ。


「うわぁぁぁん!」

「うわ! おもらししちゃったのね! 男共! 回れ右! こっち見んな!」

「「「おう!」」」

「アヤネ! なんとかしろ!」

「ええ?! 私じゃ無理だよ! 替えのオムツなんて持ってないし! ジェノさ~ん! ここまで来て~! 助けて!」


 なんか、モンスターの大氾濫よりも大騒ぎになった。いや、オムツから大氾濫起こしてるんですけどね。


 ――ソラしゃんがおもいだしゃしぇるからでちょ!


 え~? わたしが言わないでも、結局はもらし……ごめんなさい!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ