第127話:もーどちぇんじで、あちゃ~! の、ひ!
前回までのあらすじ!
屈んだ状態でつま先歩きしてたら小石でつまづいて顔から転んだよ!
――どじじゃないもん!
うん。幼児体型って元々バランスが悪いから仕方ないね。
てことでね、普通に歩いて行くことにしたよ。
とことこと、ちょっと離れているところまでまできた。
目の前には、次々とモンスターを倒していってる皆の姿があった。
その中で驚いたのは、パパとオーガが、拳で普通に殴りあっていたこと。
魔法は使わないのかな?
アヤネちゃんは、当然のごとく剣を使ってるんだけど、一振りで周囲のゴブリンが細切れになってる。
ジェノさんは、主に魔法だけど、地面に手を付けると目の前に土の棘が飛び出して、複数のオークを同時に串刺しにしてた。
トレンティーさん、ウルガさん、ホーネさんの姿は見えないけど、反対側で同じように無双してるんだろうね。
――ソラしゃん、ちかじゅけないね!
そうだね~。
モンスターが問題で近づけないわけじゃなくて、みんなの攻撃に巻き込まれそうで危ないんだよ。
モンスターの数が多いから、援護してやりたいんだけどね。
う~ん、援護……遠距離? ソラちゃんの魔法で……敵も味方もみんな巻き込まれて大惨事。うん、ダメだね。
魔法じゃない遠距離だと弓?
ソラちゃん、世界樹の枝を弓に出来る?
――ゆみって、にゃに?
おおう。根本的な問題。ソラちゃんに知識がなかったぞ。
ま、わたしが主導権に代わればいいんだけどね。
てことで、主導権交代して~。
――あい。むふふ~。
あの……裏にいったときのその怪しい笑いは止めませんか?
まあ、いいや。弓をイメージして……。
「しぇかいじゅのえだ!」
……。
あれ? 何も反応しない? いろんな武器に変形できるはずだけど。
――ソラしゃん、ちぇかじゅのだ、だよ?
あ~、そゆこと? その名前で定着しちゃったんですか……。
「ちぇかじゅのだ! あーちゃーもーど!」
――あちゃ~。
お願い、集中させて。
弓に変化した、ちぇかじゅのだを構える。
えっと……矢は魔力の矢でいいかな?
弓の弦を引くと、魔力で出来た矢が装填された。
わたしたちはほぼ無限大の魔力があるから、矢を何発も撃ち放題だね!
20メートル程離れた、1番近くのゴブリン目掛けて、ショット!
ぴゅん! ぽと……。
矢は、5メートルほど先に落ちました。
――ソラしゃん?
だって、仕方ないじゃん! 幼女の体格に合わせた玩具みたいな小さい弓で、細くてぷにぷにした短い腕でどれだけ弓をひいても、そんなに飛ぶわけないじゃん!