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第122話:なかわるいにょ? の、ひ!

 家の前に止まった馬車に皆が乗り込む。

 馬車の外見は普通だけど、中は空間拡張の魔法で広々としていて、沢山部屋もあって、一軒家くらいある。

 これは、夏休みに孤児院の皆と旅行という里帰りをしたときにかけた魔法で、1度かけた魔法が解除されなくて、仕方なくそのままになっているらしい。


「パパ、どじっこ~」

「わはは! まあ、そのおかげで、皆で行けるんじゃからいいじゃろ」


 ソラちゃんのなじりにも、パパはデレデレである。


 今回の同行者は、パパとトレンティーさん、それにジェノさん。御者にウルガさん。護衛としてホーネさんとアヤネちゃん。クッション代わりにスラじい。


「ワシの扱い、おかしくないかの?」


 そんなこと言っても、ソラちゃんがスラじいを尻に敷いて離さないから仕方ありません。

 あ、それと、空には、ドラゴンの形をした鳥が飛んでいる。リュードさんなんだけどね。

 万一、盗賊が襲撃してきても、空からの爆撃で近づく前に消し炭確実です。




「とうちゃく~!」


 と、最初の目的地、孤児院に到着し、馬車から飛び降り――。


 ガシ!


 ジェノさんに襟首をしっかりと掴まれ、体ぷら~ん、足ぷら~ん、ですよ。

 ネコミミ帽子を被っているから、見た感じは親猫に咥えられた子猫ちゃんですよ。


「ソラちゃん、馬車は高さがあるんだから、危ないよ」

「しょか~……」


 ジェノさんからアヤネちゃんへ、優しく抱き渡されて地に降ろされる。


 まあ、中が普通の家だから、玄関から外へ駆け出すつもりで勘違いしちゃったよね~。


「あらあら? 見慣れた馬車が来たの思ったら、ソラちゃんが来たのね」

「ばあちゃ!」


 ばあちゃが、おっとりしたニコニコな笑顔で孤児院の入り口から歩いてきた。

 ソラちゃんは嬉しくてとことこと駆け出し、脚にしがみついて頬をすりすり。

 匂いをつけちゃうぞ~! マーキングしちゃうぞ~!


「「ソラおねえちゃ~ん!」」

「マリーちゃん、ソフィアちゃん!」


 ばあちゃを囲み、3人で手を繋ぎあい、きゃっきゃ! と、ばあちゃの周りを回りながら飛び跳ねる。

 何かの儀式かな?


「おままごとちよ~!」

「「うん!」」


 パパ~。大事なお話は大人に任せて遊んでますね~。


「マナファリス殿、騒がせてしまってすまんの」

「あら、グランゾ様、ごきげんよう。今日はどうしてこちらへ?」


 あれあれ? 孤児院に来る予定は無かったみたいですよ?


「今頃、教会では司祭を送り出す式典を準備して待っているはずですけど……」


 うん。ここに来る途中に、派手な服を着た人たちが何か用意をして待ってたね。

 素通りしてきましたけど。

 あ、ほら。教会のほうから、数人の派手な服を着た人たちが走ってきたよ。


「「「ぜぇ……ぜぇ……」」」


 全力疾走してきたんですか? ご苦労様です。


「これど~じょ!」

「おお! 聖女様自らにお飲み物を頂けるとは」

「ゴク……ゴク……聖女様のお水は大地の味がしますな!」

「聖水に負けない味ですね。どこから持ってきたのですかな?」

「おままごとちてたから、しょこの、どろみじゅ!」

「「「ぶふぉあぁ!!」」」


 幼児の差し出した物は、不用意に口に入れちゃダメですよ!

 病原菌とか、大腸菌が原因の食中毒は大丈夫ですか? あ~、神官なので解毒魔法が使えると。なら心配無用ですね。


「きょ、教会にて式典をすると予定表に書いていたのですが」

「すまんの~。孤児院と勘違いしたわい!」


 わっはっは! と、ソラちゃん陣営は大笑い。教会陣営は、目が死んでいっています。


「そ……それは仕方ないですな。では、今日はわたくし、ヒドイメアーウがご同行いたし」

「ばあちゃ! いっちょにいこ~! みんなもいこ~!」

「あらあら、では、いきましょうね」

「わ~い! ソラちゃんとお出かけ~!」


 ばあちゃの返事を聞いて、孤児院の皆が馬車に乗り込んでいく。


「おや、すまんの。これで定員オーバーじゃ。そっちで馬車を用意して追いかけてくるかの?」

「「「……」」」


 酷い目にあい過ぎだ! うん……頑張れ。



誤字報告ありがとうございます!


――たちゅかってましゅ!


これからもよろしくお願いいたします!

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