第114話:みんな、らちしゃれて、ちゅよくなった! の、ひ!
始業式は、ソラちゃんの活躍により? 凄く短く終わり、教室へと移動した。
リンバーグさんが、これからの予定を黒板に書いていく。
「秋には収穫祭があり、舞踏会も増えることから、この学期では、儀礼作法の授業も増えていくが、君たちは学識と戦闘が平均以上の選ばれたSクラスの生徒だ。全ての生徒の模範にならなければいけない」
「「「はい!」」」
「あい!」
あ~、つられて返事しちゃったねぇ。
はっきり言って、ソラちゃんてば、模範と真逆な言動してるからね?
――しょんなことないもん!
え~。さっきの話も半分聞いてなかったでしょ?
――きいてたもん! ぶとーかいでちょ! けんはソラしゃんで、まほ~は、あたち!
……。それは武闘会では? 勘違いしてませんか? 踊りながら周囲が血の海になるなんて、わたしは嫌ですよ?
て、どこで武闘会なんて言葉を覚えたのかな? 残念なことに間違ってますけど。
攻撃的聖女さんは、そっちに知識が偏るのかな?
「さて、長期の休みで領地に帰っていた者も居るだろう。その間に遊んで弛んだ体を確認してやる。グラウンドに出て、俺と模擬戦しようか」
――しゃっしょく、ぶとーかいのれんちゅうだね!
ソラちゃん、家に帰ったらじっくりしっかりとお話しようね。ていうか、ゆっくり説明させて?
そんなこんなで、やって来ましたグラウンド。じっとしているより、体を動かすことが好きなソラちゃんは、やる気満々。いや、相手が勇者だから、殺る気満々……。
「さて、全員まとめて……と言いたいところだが、まずはソラちゃん以外の4人」
「ちぇかじゅのだ! ちぇかじゅじゅだんと!」
枝が剣になって、樹皮のペンダントが切り株ワンピースになって身を包む。
「ちょっと待て! ソラちゃんは最後に1対1でやろう!」
「え~!」
「そんな興奮状態で戦ったら、巻き添えで被害が出ちまうぞ!」
「そうですわね! ソラちゃんは、最後に力いっぱい戦いましょう?」
「ちかたないね!」
アリアちゃんの説得で、ソラちゃんは何とか落ち着いたよ。
「よし! アリア、フェルノ、ベエル、クロース! まとめてかかってこい!」
「「おお!」」
「「いきます!」」
開始早々、リンバーグさんが後衛の女性2人に突っ込んで、ベエルフェッド君がそれを止めて、カウンターでフェルノ君が斬りかかって、横跳びで避けたところにアリアちゃんとクロースちゃんの魔法が炸裂。
まあ、模擬戦用の初期魔法で、当たっても無傷だけど。
「て、ちょっと待て! お前ら休み前よりも強くなってるじゃないか!」
そりゃ~ね。1番簡単といえども、皆で魔王城のダンジョンをクリアしたし、そのあともアヤネちゃんとも特訓したし、スラじいには魔法の基礎を教えてもらったしね。休みの間中、遊んでたわけじゃありませんよ?
「「「竜王様に拉致されましたから……」」」
「は?」
うわ~、みんな目が虚ろになってますね~。
「まあ、いい。さて、今度はソラちゃんか……。ちょっと待ってろ」
と、リンバーグさんが何処かに行って、10分くらいで戻ってきた。
聖剣と、鎧を着こんだ完全装備で。
どこまでソラちゃんを怖がってるんですか?
――あいてにふしょくなし!
……これ、模擬戦ですよね?