第107話:ごはん、だれがちゅくるの? の、ひ!
目の前で、スラじいが縦と横にびよんびよんと伸び縮みしてる。
『わし、話してたじゃろ! 話の途中で攻撃してくるってどういうことなんじゃろな! バリアを張って無事じゃったけど、エルダースライムのワシじゃなかったら死んどるよ!?』
ええ、説教されてますよ。
ソラちゃ~ん、出てこ~い。
あ、ソラちゃんは説教が始まってから、わたしと主導権を交代して裏に籠ってますよ。
ええ、説教を受けてるのは、実質わたしなんです。
これはあれだ。この状況を早く切り上げるために、泣き落としといこう。
「おなか、しゅいた。もう、かえろ?」
うるうるとした瞳を、ジェノさんとスラじいに向けてみる。
「スラじい様、もうよろしいんじゃないですか? ソラ様がお腹を空かせてますし……」
ジェノさんに抱き包まれて、頭をよしよしと撫でてもらった。
過保護が酷すぎるけど、こういうときは強い味方になってくれて助かるね。
『仕方ないの。ここまでにしようかの』
スラじいがそう言って、なんか魔法を使ったら、地面から台座が出てきた。
台座の上には水晶が乗っている。
『みんな、この周りに集まるんじゃ』
「「「はい!」」」
ソラちゃんの魔法を耐えたことで、スラじいに対してみんなの尊敬の念が凄い。
――かえるの?
そうだよ~。
『では、ダンジョン終了じゃ』
水晶が輝いて、目の前が真っ白に染まる。
視界が戻ると、草原が消えて、普通の広い部屋に立っていた。
「草原が消えた!」
『来た道を歩いて帰るのも疲れるじゃろ? さあ、部屋から出て昼食じゃ』
――おひるごは~ん、なにかな~?
さあ、なんだろね~?
と、お昼ご飯を楽しみして、ジェノさんがドアを開けると、廊下にパパ達が勢揃いしてた。
「ぱぱ!」
ソラちゃんがパパに抱き着いて行った。
「おお! ソラリスや。楽しかったかの?」
「うん! いっぱいこわちた!」
「「「……こ、壊した?」」」
いや、みんな不思議そうにしてるけどね、実際にいっぱい壊したんですよ、岩を。
「グランゾ様、どうやらモンスターの数が少なかったようで、ソラ様は代わりに岩に魔法を撃って壊してたんですよ」
「そ、そうか。安全第一だったんじゃが、物足りなかったかの」
「ソラちゃん、今度は私たちとエンシェントドラゴンを倒しに行きましょうか?」
「トレンティーや、それは危険ではないかの?」
「あら、今回は子供たちに合わせて作ったんでしょ? 私たちと一緒なら大丈夫でしょ?」
「そうかの?」
ソラちゃんの本気がどれだけか試したいけど……。いや、ドラゴンの相手は遠慮したいかな?
「しょれよりも、ごはん! おなかしゅいた!」
うん。今はご飯だよね!
――ね~。
「「「あ。みんな心配しすぎてここで待ってたからご飯作ってない!」」」
「「「え~!?」」」
心配しすぎだろ! この過保護な保護者たちは!