表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/291

第107話:ごはん、だれがちゅくるの? の、ひ!

 目の前で、スラじいが縦と横にびよんびよんと伸び縮みしてる。


『わし、話してたじゃろ! 話の途中で攻撃してくるってどういうことなんじゃろな! バリアを張って無事じゃったけど、エルダースライムのワシじゃなかったら死んどるよ!?』


 ええ、説教されてますよ。

 

 ソラちゃ~ん、出てこ~い。


 あ、ソラちゃんは説教が始まってから、わたしと主導権を交代して裏に籠ってますよ。

 ええ、説教を受けてるのは、実質わたしなんです。

 これはあれだ。この状況を早く切り上げるために、泣き落としといこう。


「おなか、しゅいた。もう、かえろ?」


 うるうるとした瞳を、ジェノさんとスラじいに向けてみる。


「スラじい様、もうよろしいんじゃないですか? ソラ様がお腹を空かせてますし……」


 ジェノさんに抱き包まれて、頭をよしよしと撫でてもらった。

 過保護が酷すぎるけど、こういうときは強い味方になってくれて助かるね。


『仕方ないの。ここまでにしようかの』


 スラじいがそう言って、なんか魔法を使ったら、地面から台座が出てきた。

 台座の上には水晶が乗っている。


『みんな、この周りに集まるんじゃ』

「「「はい!」」」


 ソラちゃんの魔法を耐えたことで、スラじいに対してみんなの尊敬の念が凄い。


 ――かえるの?


 そうだよ~。


『では、ダンジョン終了じゃ』


 水晶が輝いて、目の前が真っ白に染まる。

 視界が戻ると、草原が消えて、普通の広い部屋に立っていた。


「草原が消えた!」

『来た道を歩いて帰るのも疲れるじゃろ? さあ、部屋から出て昼食じゃ』


 ――おひるごは~ん、なにかな~?


 さあ、なんだろね~?


 と、お昼ご飯を楽しみして、ジェノさんがドアを開けると、廊下にパパ達が勢揃いしてた。

 

「ぱぱ!」


 ソラちゃんがパパに抱き着いて行った。


「おお! ソラリスや。楽しかったかの?」

「うん! いっぱいこわちた!」

「「「……こ、壊した?」」」


 いや、みんな不思議そうにしてるけどね、実際にいっぱい壊したんですよ、岩を。


「グランゾ様、どうやらモンスターの数が少なかったようで、ソラ様は代わりに岩に魔法を撃って壊してたんですよ」

「そ、そうか。安全第一だったんじゃが、物足りなかったかの」

「ソラちゃん、今度は私たちとエンシェントドラゴンを倒しに行きましょうか?」

「トレンティーや、それは危険ではないかの?」

「あら、今回は子供たちに合わせて作ったんでしょ? 私たちと一緒なら大丈夫でしょ?」

「そうかの?」


 ソラちゃんの本気がどれだけか試したいけど……。いや、ドラゴンの相手は遠慮したいかな? 


「しょれよりも、ごはん! おなかしゅいた!」


 うん。今はご飯だよね!


 ――ね~。


「「「あ。みんな心配しすぎてここで待ってたからご飯作ってない!」」」

「「「え~!?」」」


 心配しすぎだろ! この過保護な保護者たちは!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ