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第101話:アリアおねえちゃんたちがきた! の、ひ!

 お城の周りを散歩したり、遠くの草原へピクニックに行ったりして、ゆったりした日を過ごして5日目。

 ここでアリアちゃんと特待クラスの皆がお城に遊びに来た。

 いや、遊びに来たっていうか、ソラちゃんのワガママに、過保護の保護者たちが暴走して拉致ってきたっていうか……。

 あれは、今日の朝食後だったね~……。




「2かいの、おへやであしょびたい!」


 うん。孤児院のみんなと遊ぶののんびりな雰囲気でいいんだけどね、ソラちゃんはちょっと退屈だったみたいでね。


「パパ~、いいでちょ? いいでちょ?」


 座っているパパの脚にしがみついて、上目遣いで腰をふりふり。


「う~ん。1番簡単な部屋を作るにしても、一緒に行ける子はマグア君だけじゃしの~」

「かかか! 俺たちが一緒に行っても、面白くないでしょうからね」

「アリアちゃん達を連れてくるか?」


 リュードさんの言葉に、皆は賛成しちゃって、で、クラスの子全員を連れてきちゃえってことになってね。


「さて、久しぶりに俺の本気を見せるか」


 お城の外に移動して、リュードさんが気合を入れると、みるみるうちに体が大きくなって、竜になった。

 うん。長い尾も持ち、大きな翼を持ったドラゴン。絵本に描かれていたあれだよ。


「おっきい、とかげしゃん!」


 それだ! いや、違う!


「ははは! これが俺の真の姿、竜王リュードバルガドスだ! トカゲじゃないぞう!」


 あ、気にしてたんですね?


「りゅどばかです!」

「「「リュードは、バカ……で」」」


 だから名前は4文字以内にしないと! こうなっちゃうでしょ!


「姫さん、すんません、俺、かっこつけてた。リュードでいいぞ……」


 ピンと張ってた翼が、だらんと垂れ下っちゃった。

 わたしはあなたの本当の名前は忘れないよ! うん! ちょっとカッコいい名前だったね!


 そして、リュードさんは、大きく羽ばたいて飛んで行った。




 そして、お昼前。

 リュードさんが、片手で箱馬車を掴んで戻ってきた。あ、もちろん、馬は繋がってないよ。

 ズシ~ン! と着地したあと、前傾姿勢になって馬車を地に降ろした。


「姫さん、アリアちゃん達を連れてきたぞ」


 竜人に戻ったリュードさんが、馬車のドアを開ける。


「アリアおねえちゃ~ん!」


 喜び、馬車へと駆け寄る。


「「「…………」」」


 フラフラと、顔色を真っ青にしたクラスメートが馬車から出てきた。

 

 ――ちんじゃいしょう!


 乗り物酔いだね。ソラちゃんも初めて馬車にのったときに気持ち悪くなったでしょ?


 ――あい……。あれ、きちゅいもんね!


 うん。


 しかもね~、今回はドラゴンに馬車を鷲掴みにされて空を飛んできたんだから、あのときの比じゃないと思うんだよね。


「アリアおねえちゃん、あしょぼ~!」

「……。ごめんなさ……うぷ!」

「「「ソラちゃん、お願いだから休ませて……」」」


 ですよね~。


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