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途中

ああ、まずい……まずいぞ

山小屋に帰りながら頭を抱える。

何が結界だ。人が入ってきてるじゃないか。「

今回は話のわかる幼女だったからいいものの、

危険人物が入ってきてたらどうする?

霞変化があるから少しは安心だけど気配がわかる悪漢とかが来たりしてバサリと切られたらどうしよう

考えるだけで血の気が引きそう


何かないか考えろ考えろ

もう一度設定などを見返してみようと目を皿のようにして眺めると

あった!あったよう!現地人設定!

NPCじゃないのが今の現状を伝えてる気がするけどそれは後で考えよう。

エリアとハウスの設定の右上に小さな卍のマークが増えていて、それを選択すると現地人にたいする設定が出てきた。


芙蓉のエリア

ヴァルギス山

戦闘:不可

訪問:不可

現地人

戦闘:未設定

訪問:未設定

招待:未設定


とりあえず速攻で戦闘・訪問不可にしておく。エリアを訪問不可にしたら山小屋の方にも入れないはず。

それで招待というのはなんだろう?

よくゲームで見る招待はフレンドをゲームに招待したりホームに招待したりするからそれかな?

これも不可にしようとして幼女との約束を思い出した。

存在を黙っていてもらう代わりに薬草や魔法を教えてあげることになったんだ。

なんで約束したのかというとひとえに幼女に対する恐怖からである。

これが純粋な優しさならば美談となっただろう。

だがもう一度言おう。


幼女に対する恐怖からである。


ダサい私ってダサい。

そう思うけれど幼女だって人間に違いない。

幼女、ミーナというようだけどお兄さんもいるみたいだし

バラされたくなければ兄にも魔法を教えろと言われたらどうしよう

むしろ山からでていけと言われたらどうしよう

幼女は良い幼女だけどポロリと家族にこぼして家族を引き連れてきたらどうしよう。

4人でも数の暴力だ。兄妹の数は聞いていないから実はもっと多いかもしれない。ああ恐ろしい


人を信じられないのはよくないことだと思うけど

どうしても素直には受け入れられない。


それはなんでというとひとえに家族の存在がある

私の家族は楽観的で頼まれたら嫌と言わない

妹も同じだ。

それだけ聞いていたら尊敬できるいい家族のようだけど

人を信用しすぎて保証人になり借金を背負って働き三昧になっていた。

そして私にもその借金の返済を手伝わせるのだ。

妹はなぜか免れている。

そもそも妹も保証人になるのを賛成していて、私は反対していたのに

両親はなぜか私だけに手伝わせる気満々だった。

ただでさえ奨学金を払っていてかつかつなのに一人暮らしの私に更に借金まで手伝わせるなんて

私を餓死させたいのかと思ってしまうが、一切悪気がないのが嫌な所だ。その間私の体重が標準より8kgへって30kg代になって引かれるくらいゲッソリしてた。

それなのに周りの人間は両親や妹を褒め称えるからやってられない。

こう考えよう。家族と決別したんだと。でもそうすると私が必死で稼いだお金は家族のものになるのかと考え一瞬アンニュイになる、元の世界に戻れるかどうかわからないけれど戻るならお金が分配される前がいい。まあ戻れる気は全然しないけど。


それでどうしよう。幼女は招待しようか?

でも幼女だけ入れるとなったら周りの人がどういう事だと幼女を責めるかもしれない。


私は自分以外信じない。

そう言い聞かせて職場でこそ耐えていたもののゲーム内ではおひとりさまを満喫していたのに……。


頭を抱えているとポロンと音が鳴ってエリアの卍マークの隣にNewと表示されていた。

卍を選択すると


関係性設定

敵性現地人:未設定

友好的現地人:未設定

関係なし:未設定


というのが増えていた。どういう事だろう。

考えた瞬間に適応するなんて、私神様かゲーム制作陣に遊ばれてるんじゃないだろうか。

まあ便利だからいいけれど。

そうだなあ考えた瞬間に機能が増えるなら、ログアウトできますように!

……無理か。ログアウト済の灰色になったままだ。

やっぱりログアウトは諦めた方がいいのかな、でもログアウトできず生身が死んだらこっちでも死んでしまうかもしれないんだよな。

ここで生きていく勇気もまだでない。


取り合えずできることから始めよう。

今考えることは現地人が山に入れるようにするかしないか。

敵性現地人何て絶対入ってきてほしくないから不可で。

友好的現地人は入れてあげた方が幼女が責められないだろう。

でもやだな、優しい人にでもなるべく会いたくない。むしろ優しい人の方が家族を思い出して怖い。

仲がいい魔物や動物たちを狩られるのも嫌だし霞変化してても会うのがいやだし、入れるのは麓だけとか設定できるといいんだけど。

と考えているとまたポロンと音が鳴って卍にNEWのマークがついていた。


訪問許可

麓:未設定

中腹:未設定

奥地:未設定


おお!本当に反映された。

これで友好的現地人と麓を許可、それ以外を不許可にすれば厄介な相手は入ってこないはず。

あの幼女がいたのはこの巨大な山の極麓だったからそれで大丈夫なはずだ。

この山は外からは低く見えるけど、登ってみたら実はとてつもなく高いのだ。エベレストも目じゃない。山頂には霞がかっているが設定を春にすると雪が積もらないので山頂の山小屋でのびのびぬくぬく暮らしている。


しかし薬草は鑑定があるからともかく、魔法はつい教えると言ってしまったけど本当に教えられるかな?一応仲のいい動物たちに教えてたからコツは掴んでる気がするけど、

人間に対しては初めてだ。上手く教えられなかったらどうしよう。

次に幼女が来るまでに練習しておくか。


※※※


まずは何から始めるかな?幼女がわざわざ薬草を取りに山登りしているのが忍びないから、

何か楽になる魔法を教えてあげるか。

一からの薬草作りは仙女になってから取得したものだから幼女が仙女にならない限り教えられない気がするから、薬草の根をあげて薬草育成を教えてあげたら家でにお金になる薬草を育てられて、幼女がくる回数が減って私がホッとする。


ああ、でもそうすると家族や村人からどうやって育てているのか絶対聞かれる気がする。

そうなるとか弱い幼女に私のことを伝えずに済ますのは難しいだろう。

じゃあ薬草は見分け方で済まして、登山とか登攀とか山登りが楽になる魔法を教えようか。

まあこれは魔法と言うより技能だけどあって困ることはないだろう

6大魔法とかはミーナの才能次第かな。


生活魔法は教えてあげられる気がするけど、この世界で魔法の立ち位置ってどうなんだろう

ミーナの反応は悪くなかったけど、というより目茶苦茶喜んでたけど、

幼女が知らないだけで実は魔女狩りとかされてたら恐ろしすぎる。

流石に自分のせいで幼女が火炙りとかになったら申し訳ない。

その辺を調べるにはどうしたらいいんだろう。フライと霞変化を使って街に行く?とんでもない。

そんな恐ろしいことできない。気配が読める弓の達人に撃ち落されたらたまらない。


まあ、しっかりしてそうな子だったからその辺はミーナ本人に聞けばいいだろう。

まずは登山や登攀かな。その次に生活魔法を教えてみて様子を見よう。

ついでに他の人が山に来てないか探りを入れてみよう。

本当の本当にダメになったら拠点移動で山ごとどこか未開の地で暮らそう。

いや今からそうした方がいいのではないだろうか。


うーん、でも約束くらいは守りたい。登山スキルはほどほどにして生活魔法をできるだけ教えてあげよう。もう使えるようなら、4大魔法を軽く教えてあげよう。

できれば魔物の倒し方も教えてあげたいけどこの山には敵性魔物や敵性動物はいないから、流石にそれを倒すというの忍びない。かと言って山からでる?ありえません!

木を相手にしてもらうか的を作ってそれを使ってもらうかかなぁ。


あ、コキツネだ。

狩りの帰りだろうか、何か大きなものを咥えて引き摺っている。

コキツネはこちらに気付くとそれを地面に置いて駆け寄ってきた。かわいい。

ふさふさの尻尾をふってこちらを見上げるので頭を撫でてやると嬉しそうにぶんぶんと尻尾の速さが地面に叩きつけるほど早くなった。

コキツネが刈ってきたものの所に立ってこっちこっちとでも言うようにその周りを回り始めたので、近寄ってそれを見てみるとオーク、それも敵性魔物だった。










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