三章 奪われし者
やはり、ベッドに寝ていたのは陽子だった!まったくお前等は!
あれって、陽子の…だよな?
「うっ、う〜ん…麗奈先生ぇ〜?」
保健室のベッドのカーテンが開き陽子が顔を出した。
「陽子…」
「コーちゃん…違うの!これは、熱射病じゃなくてね!寝不足で寝てただけなの!」
っと、陽子が言い訳をした時保健室のドアが開き十条先生が入って来た。
「ガラガラガラ、陽子ちゃん遅くなってごめんね!氷買ってきたから取り敢えずこれで冷やしてスポーツドリンク飲んで…あら?幸一君!っに咲ちゃん!」
「陽子…」
「はい…」
陽子は、返事をしベッドの上に正座した。
「俺〜、前に言ったよな?夏にそのコスプレは止めろって!」
「はい…」
「それに、咲も!分っているのか?夏にそんな格好をすれば倒れるの分っているだろ?この前倒れた時に約束したよな?もお、その服装はしないって!なのに…翌日からもずっと着てきてるよな?そして…今日また倒れて…」
「幸一君、2人は一応病人だから!先ずは処置させてくれないかな?」
「…分かりました。先ずは、お願いします。」
『『麗奈先生ありがとおー!』』
っと、2人は十条先生に小声でお礼をしていた。
「2人共、分っているっとおもうが…お説教はまた後でな!」
「はい…」
十条先生の診断の結果2人共軽い熱射病だそうだ。前回っと同じのようで良かった。重度の熱射病だと死ぬ事もあるからな!
「さて…2人共、今日は早退したほうが良さそうだな。咲のおじさんっと陽子のおばさんに連絡して迎えに来てもらうようにしたから!」
「「えっ!コーちゃんいつの間に!」」
「2人が十条先生に診察されてる時にだよ!後、菜々に連絡して2人の荷物持って来てもらうようにも連絡したから!」
「「ちょっ!コーちゃん!」」
「…文句…無いよな?」
((うっ…コーちゃん怖いよー!))
「コンコン!失礼する!咲!無事か?!」
「あっ、パパ!」
「良かった…コウにメールもらってすっ飛んで来たんだ!まったく、また無茶しやがって…」
「ガラガラバシャン!陽子ちゃん!あ痛い!ちょっ!誰よ!入口に立ってるのは!」
「いってーなぁー!詩織ぃー!ちゃんと前を見ろよ!まったく!」
「あら、亮ちゃんだったの?」
どうやら、2人の保護者が揃ったようだ!っにしても、相変わらず騒がしい2人だな!
「おじさん、おばさん、お久しぶりです!」
「久しぶりね、コーちゃん!ちゃんとぬいてる?」
「…何をですか?おばさん…」
「そりゃあ〜ナニよ!」
本当…詩織おばさんは…綺麗なのに、下ネタばかり言うんだから…
「はいはい、おじさんは研究忙しそうですね!」
「まぁーな!今追い込みでな!週末又手伝ってくれるか?」
「今週はぁー…大丈夫ですね!行けます!」
俺は、スマホのスケジュール表を見て答えた。
「ちょっと!私のは何で無視するのよ!筆下ろししてあげた仲なのに!」
ちょっっ!何ポロっと言ってんだよ!詩織おばさん!
「だっー!いきなり何言ってんだよ!詩織おばさん!」
「何よー!コーちゃんが無視するからでしょ!」
ったく…子供か!
「いい大人が、子供みたいな事言わないで下さい!咲っと陽子が固まってますよ!」
「何よ〜本当の事じゃない!」
うぅ…黙っていて欲しかった…あんな、詩織おばさんが酔っぱらって寝ていた俺に跨がってヤッただなんって…
「詩織おばさん、黙っていて下さい!」
「何よ〜!もお、何回もしてる仲じゃない!」
「「何回も?!」」
だっー!もぉー!余計な事を!
「コウ…お前も苦労してるんだな!」
「おじさん、詩織おばさん止めてくださいよー!」
「無理!そんな事は出来るわけ無いだろ!」
チッ!使えんおじさんだ!
えっ?!今、コウに舌打ちされた?!あの、コウに!純心だと思っていたのに!はっ!そうだ!きっと、詩織のせいで穢れてしまったんだ!きっとそうだ!クソッ!悪の権化め!
なぁ〜んか、亮ちゃん私の悪口考えてるわね!私がコウちゃんを穢したっとでも考えているんでしょ!失敬な!…う〜ん〜あながち間違ってないかも?娘達の想い人の初めてを奪い…事あるごとに繋がって!あー…うん!結構私って悪い女ね!まぁ〜、ヤッてしまったものは仕方ないわね!
母様っと、コウちゃんが!そんな…私が中二病をしていた時に既に奪われていただなんって…菜々ちゃんや咲ちゃんならまだ良いの!でも…何で母様?!知ってますよね?私がコウちゃんを好きな事!
えっ?!コウちゃんっと詩織ちゃんが?!何で!何で…グスン…
「咲?大丈夫か?」
「コウーちゃん…何で?何で…詩織ちゃんっとしたの?コウちゃん知ってるよね?私達がコウちゃんの事大好きな事!なのに…なんで…ヒドイよ!!」
咲…
「済まん…言い訳になるが、目が覚めたら既に詩織おばさんに奪われた後だったんだ…いつも、寝てる間にヤラレってしまっているんだ…」
あれ?まさか!詩織のヤツ俺の作った薬使ったのか?!揮発性の眠り薬を!まさかな…
「おい、詩織!まさか、俺の作った薬使ってないよな?」
「ギク!さっ、さあ〜なんの事かしら〜!」
…怪しい!
言えない!薬の瓶が破れていて酔っていたからか私には薬が効かずにコウちゃんだけが効いていただなんて…まぁ…これは、後から分かった事なんだけど…その後も何度も使ってるから言い訳出来ないのだけど…流石にあれだけ動くとコウちゃん起きちゃうんだよねー!
「詩織おばさん…薬なんて使っていたのか?詩織おばさんなら、選り取り見取りだと思うんだけど?ってか!おじさん居るんだから!おじさんっとす!ばいいじゃん!」
「いや〜あれは、酔っ払ってしちゃってしまっている訳で…故意でしてるんじゃあないの!」
(((((嘘だ!)))))
「母様…故意ではなくても、それは不倫に成りますよ!それに…私のコウちゃんに…」
「陽子ちゃん?」
うっ、咲ちゃん怖いよその目!睨まないでよー!
「ご、ごめん咲ちゃん。わ、私達のコウちゃんに手を出すなんて許せない!」
「詩織ちゃん…私も許せないよ…グスン…」
「ガラガラバシャン!!話は聞かせてもらったわ!陽子ちゃんおばさん!私のコウクンに手を出すだなんて絶ッッ体に許さないんだからぁー!」
「あら?でも…手を出したのはコウちゃん菜々ちゃんが付き合い出す前よ?」
ここで菜々が参入だっと!何か…泥沼の予感が…