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人に期待していない。

作者: 安孫子太郎

誰にでもかつては期待していた。自分を理解してもらえるものだと。心の内をすぐにでもさらけ出していた。それを見てもらい仲を深めなれるものであると。だが、そうではなかった。ほとんどの者と心が通じることはないとしった。それがたとえ家族であろうとも。すべては他人だったのだ。そのことに気が付くまでにずいぶんと時を要した。そこに至るまで心は常に苦しめられた。人は簡単に裏切り、醒めた言葉を吐き、自己都合で行動を取る。相手の立場を思ってのことであるように示しながらも、つまりは自分のためでしかない。「あなたのためを思って」という嘘で塗り固められている。


そうなれば信じられるのは己のみとなる。うまく距離をとって人付き合いするための術を少しずつ身につけていくだろう。相手のその言葉の裏を知るようになるだろう。嫌われるかもしれない、どう思われるだろうか、といった小さな悩みから解放されることになるだろう。傍若無人に振る舞うことができるようになるだろう。


嫌われたくない、攻撃を受けたくない、幸福でありたい、誰からも好かれる人間でありたい。

このような承認欲求により自分の首を締め続けることになる。


人に期待しないことで心は楽になる。その時々で、その時の心の有り様で、人の応対なんてものは変化していく。すべての行動に意味はない。その気まぐれに付き合ってはいられない。気を遣ってまで相手をする必要はない。心をすり減らすだけだ。

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