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詩*見つめて*

背景へとつづく言葉

作者: a i o





ゆきのひとひら/


ついた息と同じように白い雪景色を前に、震える瞼をつむる。キン、と耳の奥で冷たい音が鳴り、この景色丸ごと大きくのみ込むように息を吸う。――つめたい――肺の隅々まで凍りつきそうな冷気に空咳をこぼすと、どこまでも灰色の空は薄く笑ってひとひらの雪を吐いた。





子守歌を探して/


僕らは夜な夜な明るい光を聞いていた。看板の赤いネオンの重低音。車のヘッドライトはトライアングルの音のように高くお腹の底に響き渡った。僕らは暇潰しに忙殺されているから、夢ぐらいしか逃げ場がない。だから子守歌を得るために徘徊するんだ。ゴールド、月明かりがのびるアスファルト、君と。





願望/


わたしの海が欲しいのです。わたしのためだけの。ただ眺めるために。水平線の明るい、寄せる波の心地よい、まるで羊水のように懐かしい海を眺め、あやされるがままに眠りにつきたいのです。そうして目覚める時には産まれたばかりのような伸びをして、素直に世界を愛したいのです。





朝の儀式/


窓を開けましょう。大きく息を吸って。朝の匂いを嗅ぎましょう。庭の木には小鳥が囀ずり、澄んだ青い風の吹く。窓から窓へと渡り行けば、なだらかな地平線。おはよう、まだ見ぬ人。朝露のように儚げで、どきりと胸打つような出会いが待っていて、私の瞳をすっかり明るくしてしまうのです。









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