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3.5話 接吻相撲! 〜 命名者:オレが最強の接吻王、HALだ!もう一度やるか。 〜

オレはなんでこんなものを……?

 まずは紙袋を取ろう。

 オレはヴィオラの拘束を抜け出し……抜け出……。

 顔を背後に向け、ヴィオラを見る。

 ニコリと微笑まれる、かわいくて結構だけど今はそのときじゃない。

 口パクで 離して と伝える。特に意味はなく無声。

 口パクで イヤです との答えが返ってくる。


 よろしい、ならば戦争(接吻相撲)だ。


「む? ん!? んん〜〜〜!!?」




 さてと、たやすくヴィオラを口散らし……もとい蹴散らして悠々と立ち上がる。

 振り返るとヴィオラは仰向けに倒れ、気を失った。時折痙攣している。



「さすがにニカワとか入れてないよねぇ?」


 あれ取れないんだよなぁ、とか思いつつ推定女神さまの紙袋を外す。

 中にまとめられていた髪がどさりと落ちる。黄金が流れ出したかと思ったよ、と現れた女神さまがなんか身悶えしだした。かゆかったの?


「おはよう女神さま」

「あ、おはようごさいますハルさん」


 にっこりと挨拶を交わす。


「(あれ、名前をもらったのに、まだ名前を呼ばれてない?)」


 何か女神さまが首をかしげていたのを尻目にもう一つの紙袋を外す。

 やはり髪が中にまとめられて、落ちてきた薄い金色(プラチナブランドかな?)が中から顔出てくる、眼をを()て挨拶だ。


「おはようシーぽん」

「あ、う」


 おや? シーぽんの様子が……?

 なんだろうと観察してみると、どうも違和感が……。


「あ、仮面……」


 そうか素顔だからか、と納得しているとシーぽんは顔をうつむかせ、その上で顔を逸らそうとしていると、なんか必死だ……そういえばシーぽんと顔を合わせたのって知り合ってた時以来かもね?


 下から顔を覗き込み逸らそうとした目を追いかけてジーッと見つめ合っていると。


「あ──や……無理、死ん、じゃう……」


 と言い残し気を失った。


 ちなみにシーぽんとは彼女に名付けた(シキ)という名前のニックネームである。


 しかし、そうか──シーぽんってオレのイマジナリーフレンドじゃなかったんだ。肉体美あるもんね。思い間違えた肉体があるもんね。う〜んそれにしても、とシーぽんの顔を見る。

 なんかヴィオラに似てるかな? ヴィオラは若干ツリ目でシーぽんは若干タレ目、身長は俺より一回り大きいから150センチ前後かな。小がらだけどスタイルは良い、褐色肌にビキニとホットパンツに生足裸足。Eカップ(良いおっぱい)だ、周りがもっと大きいから見劣りする気がするけどそれは間違い、小柄だからEカップ(エロいおっぱい)がすごい。ヴィオラも女神さまも170センチ以上あるからね。見事なオークファッションだと感心顔になるがどこもおかしくない。


「ハルさんハルさん!」


 女神さまが呼びかけてくる、なんだろう。

 そちらに向かい、ついでに腕の拘束を外す。

 なんで無駄にメビウスの輪? というか拘束ゆるゆるだ、なんで抜け出さないのか。


「こういったことは初めてでしたので、つい楽しんでしまいました」


 なんて笑いながら抱きついてくる女神さま。あったかやわらかい!


「ああ……やはりいいですね。ぬくもりを感じます。あたたかいですハルさん」

「そうだね」


 何度も言う──思うがオレは好意を認識できない。だから即物的にふれあいを求めてしまう。

 握手にハグにキスは大好きだ。とてもいい挨拶だと思うよ。やる度に親しさが認識できていい。

 そこでオレはハグとキスを組み合わせた全く新しいスポーツ、接吻相撲(キッスズモウ)を提唱した!


 結果? ごく小規模に行われるだけだった。世界に広がれば争いが消滅すると思ったのになぁ。

 ま、我が家では新しい家族を迎え入れる時と通過儀礼となった。


 ビギナールールとスタンダードルールとエキスパートルールがあるが、大体やることは一緒だ。

 キスし合って相手の腰を砕けばいい、その際に行っていいのはハグとキスだけだ。

 ビギナールールはハグとしてキスした状態から始まる。

 スタンダードルールは小さな幅の円の中でハグした状態から始まり、キスに持っていく。小技として口以外にキスをして相手を弱らせるテクニックがある。

 エキスパートルールは動き回れる程度の円……土俵の中で行い、離れた状態から始まる、背後を取り耳やうなじやつむじにキスをし、口付けせずに相手の腰を砕いたら大歓声が起きるだろう。いやオレが起こす。


「家族ですか! 家族ですか! いいですね! やりましょうハルさん!」

「よしきた」


 接吻相撲(キッスズモウ)提唱者にして横綱にして殿堂入り(出禁)のオレの力を見せてやる! 接吻相撲(キッスズモウ)歓迎式は全力全開のフルパワーで行うことによって一気に家族になる! 実際スゴい。


「いざ!」


 ちなみに歓迎式はビギナールールで行う。


「!?!!?!!???!?(声にならない悲鳴)」


 家族完了!

 ちなみを歓迎式接吻相撲(キッスズモウ)の場合、途中で俺の血を飲ませている。友達のアウルんが血を飲ませる事で家族を増やせるとか言っていたのでそれに習っている。ただの験担ぎだけど、家族化した子は妙に怪我や病気に強くなるんだよね。あと心が強くなったって、それ一番言われてるかな。


 女神さまも気絶した。


>『称号:神殺し(比喩)』を取得しました。

>『称号:接吻(キス)魔』を取得しました。

>『称号:抱擁者(ハグリスト)』を取得しました。

>『称号:接吻相撲(キッスズモウ)横綱』を取得しました。

WIN HAL! PERFECT!

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