36話 肉親 〜命名者:青分!?〜
なんか父親がゲスになりました
ヘーイ! はーくんだよー!
あらすじ
・幼はーくん退院する。
・幼はーくん家に戻る。
・幼はーくんぶん殴られる。
いってもあまり共感されないんだけど痛みってなれるんだよね……だんだんと動じなくなって、意識の片隅に押しやる事が出来る様になり、最終的に意識しなくなる。
痛覚がなくなるわけじゃない、痛みは感じる。
どこどこがどの様に痛むのかという情報をある種の方物差しがわりにしてるけど、それ以外におもうところがなくなる。
こう……痛みはあるけど、それがどうしたのという感覚。
痛覚が麻痺しているのではなく、感覚が麻痺しているという感じ? この場合の感覚は感覚器官の事ではなくて、感受性の方。
オレ、ドエムじゃないから、痛くても気持ち良くはならないんだよね……そんな鈍感なはーくんでした。
「『青』に呪いを押し付けた『怨敵』は魔王となり人格を潰されることはなくなった」
「『生』を失い、記憶を喪い、それによって何を得たのか……」
「いや、この周回での生を捨て、次回に繋げようとしたのか不測の事態なのだろうか」
「虚弱な身体は、『青』が魔神としての力を封印しているから、それによって与えられた仮初めの生も虚ろなものとなっているのだろうか」
「この数日『青』から離れていた、これにより青分不足に陥ってしまい、尚の事体調を崩していたのだろう」
「……青分は必須栄養素だから、ハルとの接触により効率的に補給される」
「そんな『怨敵』は『青』に触れ、安心したのかそのまま眠りについた、体調を崩していたのに無理をして起き上がった為だ」
「もはや『怨敵』を殺す気が失せてしまったワタシだったし、『死』としても『生』でなくなった『怨敵』には用はなかった」
「さて、ワタシが驚いた相手は妹こと『怨敵』だけではない、全部だ」
「さて、次は母親と姉の事だ」
「と言っても、これについて長い説明は必要ではないか」
「この二人は正気ではなくなっている」
「催眠にかかり、なんらかの暗示を受けている様子だ」
「症状は姉の方が大分軽く、放っておけばすぐに解ける程度だが……」
「母親は更に魅了され、洗脳が施されている様子だ」
「それは誰によってか?」
「無論、残っている父親によってだ」
「父親、これがまた酷いものだった」
「性格が? 確かにそれもあるだろう」
「腐っている」
「いや、性格が腐っているという意味の比喩だけではなく、物理的にその身体は腐臭を漂わせていた」
「しかし、それも当然なのかもしれない……その身体は死体なのだから」
「活ける屍……所謂ゾンビというヤツだ」
「しかも、その中身は死体本人のものではない……寄生したナニカが自体を動かし、操っている」
「見た目は目が死んでいて、皮膚がボロボロだが、五体満足で部位の欠損もない。だから腐りだしてそう経っていない様に思える」
「なら最近死んだ父親に、偶然ナニカが寄生して動かしているのか?」
「それは違う、父親は最初からソレであり、最近になり活動限界に達して腐りだしたのだ」
「ソレはその身体の持ち主を殺し、死体に寄生して、母親を催眠し、暗示をかけ、魅了し、洗脳し、自らの子を産み落とさせた」
「それは自らの次の身体とする為」
「そして次の身体に選ばれたのは『青』だった」
「ソレが『青』を虐待し、母親にそれの補助をする様に暗示をかけたのは『青』の心を折る為」
「理由はソレが『青』の身体を奪う為である」
「身体は奪うのなら、死体にするよりも生きていた方が都合が良い、しかしその場合、持ち主の精神と身体を取り合う事になる」
「その場合、持ち主の側有利となり、奪う側が当然不利となる」
「だから身体の持ち主のである『青』の心を折り、自らに歯向かえない様試みたのだ……結果は失敗だったが」
「ソレの身体は限界に達して腐りだしている、だから近いうちに次の身体を得ようとするだろう」
「その場合、『青』を殺すか、妥協して姉妹を次の身体にするかだ」
「後者を選ぶのなら止めはしない、と普段のワタシなら思っただろう」
「しかし、今は何が何でも阻止してやるという気持ちになっているし、なんならこのままソレ滅ぼそうと思っている」
「何故そんな気持ちになっているのか? 『青』への虐待が許せないからか?」
「残念ながら違う(ないとは言ってない)」
「気付いたから、思い出したから」
「ワタシの仇に、ワタシを構成する死霊達を殺した存在を」
「『死』の中核となっている死霊の身体を奪った盗人を」
「だから阻む、だから殺す────其奴だけは絶対に許さない」
ヒント:殺せない。




