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8話 家族歓迎式接吻相撲 〜 機神:仲間意識を感じようと凡骨は凡骨です。 〜

気付いたら説明会だった……?

 ごきげんよう(グーテンターク)、自称普通の妖精(ネーちゃん)との交信(チャネリング)に成功したはーくん特派員だよ。


 ちなみにグリューネをしりとりで伸ばしたからネーちゃんでした。


 オレはヴィオラのコックピット(フトモモ)に座りシートベルトを締める《うしろからだきしめられる》。クッションが効いててすばらしいね。だからまたねむく──


 はっ! 危うく寝オチするところだった。危ない危ない──危(あや)うく危険(きけん)が危(あぶ)なかった。




「ダメだねむい、ヴィオラ──なにかお話しようよ、さっき報告がっていってたよね?」

「はい」

「じゃあ眠気覚ましにおねがい」

「はい。では、コレを飲みながらお聞きください」

「ありがとう──つめたっ」


 コーラ(缶)をうけとり、開けて飲む。

 オレがよく飲んでるヤツだ。

 キンキンに冷えてる、ありがたい。


「さて報告します。マスターの家族歓迎式接吻相撲および血液の解析結果です──まず血液ですが、以前の記録よりも栄養価が非常に増しており、食味も向上しているようです。また魔力、気力等の非物質エネルギーを非常に多く内包し、摂取した存在の体力魔力等の特大回復を、あるいは存在進化を促すことでしょう。また血液そのものがとても吸収され易く、かつ身に付き易くなっており、エネルギー過剰摂取による致死の危険がかなり低減してしるようです。端的にいって血液だけで考えても格好の獲物ですね、食われて死ねと──反吐が出ます」

「口が悪いなぁ」


 RPG的に考えるとエリクサーでふしぎなアメ、って感じかな?


「オカルトで言うところの人魚の肉や龍の血、視肉桃太郎の桃(原典)といったものでもいいでしょうね」

「若返りったり不老になったりするのかな?」

「存在進化をすればあるいは──言ったところでしょうか」


 そういえばステータスの種族の一つに人龍とあったし、そういうものなのかな。


 はーくん、クソザコナメクジなのに森のおやつなの?

 完全栄養食はーくんUM?

 UM………UMA(未確認動物)かな?

 いやUMA(ウマ)?

 UMA(ウマ)!? ツノどこやった!?

 いやUMA(ウマ)の種類は特定されてない……たのむ、幻想種のUMA(ウマ)の可能性であってくれ!

 unicorn(処女信仰者):もう大丈夫、私が来た!

 おマリア様こっちです!




「さて、お待ちかねの家族歓迎式接吻相撲の解析結果──まず結論から言えばある種の魔術的儀式と判断しました」

「え?」

「まず接吻による粘膜接触、これはポピュラーな契約の儀式ですね。身近な例であげれば結婚式で家族(夫婦)となる二人が行います。」


 二人は幸せなキスをして結納って感じ?

 結婚式って家族契約の儀式だったんだね。

 まあ、まちがってないよね。


「そうです、だから私達もいつかしましょう」

「ハーレム野郎だから遠慮します」

「問題ありません──次に接吻相撲という決闘。これは実際の格が違う相手でも、勝ち負けによって格差を変える効果があります。これにより格上の神でも勝てば家族にできます」

「マジで!」

「マジです。つまるところ女神ヘルブラウを含めここにいる全員と家族契約に成功しました」




「口移しでの血を飲ませる行為、これはマスターの血を受けて擬似的に同じ血が流れた存在になる意味があります。また口から口に血を受け渡す行為は両者間が対等である扱いになります。これがマスターの指から流した血を受け手が受けたり、マスターが首筋に噛み付いて血を流し込めば格下の契約──眷属契約となるでしょう。余談ですがマスターの血をマスター自身が与え、受け手が飲食による摂取するというプロセスにより血液が譲渡され受け手の所有となります。それを摂食し自らが消化吸収することで、たとえ身の丈に合わないエネルギーをとりこんだとしても安全確実無事に回復や存在進化をすることができます……他にも色々とありますがすべてを説明する必要は無いでしょう」


 他にもあるのか。というか、ええ……? オレの血を飲ませるようになったのって、当時他人を心から信じることができないはーくんがした苦肉の策だよ……? オレの血を飲ませて、オレの血が流れた存在の義理の分身でつまり家族だよ、という暴論で自己暗示させる行為だったんだけどなぁ……?


「マスターの思惑はどうあれ、マスターの願いにより私達は家族に、そして擬似的な分身となったのでしょうね。その為なのかマスターに対してより強い親近感と仲間意識を覚え、凡骨や女神ヘルブラウに対しても、お互いに親近感と仲間意識が芽生えたようです。不思議なものですね……こういう感覚は」

「うん、オレも血を飲ませた相手にそういう意識を持ってるけど、自己暗示がうまくいっただけじゃないんだねぇ……」


 ふと女神さまとシーぽんを見ると、二人はなにやら話している──いや女神さまが思考を読み取って話しているので、女神さまが一方的に話しかけているように見える。

 あ、女神さまがこちらに気づいて手を振ってる。おたがいそこまで離れてないよね? そんなに遠くないのに……。


 しかし、家族歓迎式って洗脳じみた効果でもあるのかな? むりやりオレを好きにさせたみたいで気持ちがわるいよ。


「大丈夫です、マスター。結果起きたことは体力魔力の回復と稀に存在進化、私達家族たちの繋がりの強化に、あとは精神の強化に、マスターのキステクニックにより前後不覚になり過去の不幸を一時的に忘れさせ正気に戻し、キスにより互いの気力と魔力を反応増幅させる両者間を行き来させた上での血液な贈与、それによって起きる精神思考の増設ですね」

「やっぱり洗脳だよ!」

「違います、全然違います──元々の私の精神思考に加えマスターのカケラの精神思考が加わるだけですし、その精神思考は元々の私の精神思考と協調する形でほぼ同化するのでほとんど精神思考の強化といってよろしいでしょう」


「しかし女神ヘルブラウの消耗を全快させたマスターはどれほどの力を秘めているのでしょうね──あるいは世界の一欠片を口にしたと思えばできないことも……いえ、世界を創り出した消耗を全快させたのならそれでは割に会いませんね、不思議なことです」




「さてマスター、戯言はもうよろしいでしょう」


 ヴィオラはオレを180度反転させて対面させ屈み首筋を見せる。


「いや、なにが?」

「私の首筋を噛みちぎり血を流し込んでください」

「いや、やらないよ」


 なに? 血管から摂取(たべ)る事で更に数倍なの? なにが?


「そんな──血管から摂取(たべ)る事で更に数倍家族になれますよ?」

「さっき格下っていったよ! オレは対等でいいの! 起伏はいらない、真っ平らでいいんだよ!」

「そんなひどい──ヴィオラを眷属にしますか?[はい][いいえ]」

「いいえ」

「そんなひどい──ヴィオラを眷属にしますか?[はい][いいえ]」

「いいえ」

「そんなひどい──ヴィオラを眷属にしますか?[はい][いいえす]」

「いい──ってよく見たらイエスだ! こそくな!」

「気付いてしまいましたか……っ! 何故眷属にしていただけないのですか! 私はただマスターひ支配されたいだけですのに!」

「友達で家族だからだよ。なんで支配しないといけないんだよ!」

「「「ええ〜そんなぁ……!」」」

「そんなサラウンドで息ピッタリに──って女神さまはオレの神さまだよ!」


 なにやってるんだ! マイゴッデス!


「はい、そうです! ハルさんの、ハルさんだけの神さま、ヘルブラウです! ハルさんだけの神さまです!」


 大事なことなのかくりかえしてる。かわいい。

 あれ? なんか女神さまからの好意を感じるような……?

※はーくんが気がつくレベルの好意は手遅れの意味です。

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