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AVコーナー

俺は、現在24歳のいわゆるフリーターである。

大学を卒業し、一般企業に勤めたが、うつ病で1年無職。

その後、転々としたが、結局ここ1年ビデオショップのAVコーナーを取り扱っている。

今どき、ビデオなんて、サブスクリプションで多作品見られるし、さらにここAV(アダルトビデオ)コーナーなんて違法アップロードで見てる奴が大半だろう。

私も大抵はそうだ。

客層は、風呂に何日も入っていないブタみたいな体型をした俺とほぼ同じ無職。

臭いし、汚い、一昔前に、プリキ〇アの映画で汚い匂いを発した大人が多く苦痛だったという女児親のつぶやきが、SNS上で話題になっていたが、いわゆるそういう連中のたまり場だ。

たまに、カップ酒を片手に来るどこの野球チームかよくわからないキャップをかぶったジジイが2割。

それ以外の7割は、デブニートだった。

まぁ、俺も人のことは言えないが。

ビデオショップと言っても先輩から聞いた話、昔は、たくさん、ビデオの新入荷が月に全盛期は何度もあったそうだが、今はその影もない。

ましてや、AVコーナーなんて今じゃ新作もFAN〇Aだとかむしろ個人的にポルノサイトにカップルで投稿するほうが儲かる時代だ。

新作と言っても、月に2枚ほどの円盤が届くだけだ。

俺は、新作を見つけるととりあえず家で見て射精する日々を送っていた。

正直、どれもこれも飽きていた。

うつ病も相成ったことで俺は軽く勃起不全も引き起こしていたのでなおさら射精が難しかった。

頭の中は、まるで必死に英文法を並べ続ける受験生のような必死こいた気分で自分の中にある男の部分を引き立てていた。

たまに、AVのコメント欄で見かけるマイスターのようなそのものをちゃんと評価している変わり者もいたので

自分も作品として見ようと考えたが、あそこまでの語彙力もなければ、どうしてもただのAVとしか見れなかった。

セックスなんて結局、ただの作業だと俺は思っていた。

愛の確認だとか言って貪り食っている社会の馬鹿どもに吐き気がする。

ましてや、女優もまんざらでもないだろうと。

そんなある日のことだった。

俺は、このビデオショップから少し離れた二駅先に住んでいた。

毎朝、シフトの30分前に起き、家の前にある自販機でかならずMAXコーヒーを買った。特に味は好きというわけではなかったが、シンプルにビジュアルと黄色のフェイスが特に目立ったからだ。

それを選ぶことが、人がセックスをするように、登山家が山があれば山を登るように、ごくあたりまえに、それを選び飲みほしていた。

MAXコーヒーを飲みながら自室のベランダで金ピースをむせ返りながら電柱を眺めるのが日々のルーティンであった。

動画サイトでよく見る朝活や一流の人がするモーニングルーティンとは、似ても似つかず、そのギャップに前から吐き気がするそんな毎日の朝だ。

実際は、吐いたこともあった。

大抵は、会社員が出勤を始めるラッシュ以降の出勤だったので、混まずストレスが溜まることは少なかった。

出勤し、タイムカードを押し、見たくもないハエみたいな顔をしたメガネの上司からの嫌味を聞き、AVコーナーで客を対応していた。

今では、うちの店結構珍しくAVコーナーの仕切りはもちろんだが、レジも他のコーナーとは別に仕切られていた。

汗でふやけたケツをかきむしりながら、ひたすらにあくびをし、かのAVマイスター達をひたすら眺めていた。

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