表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屈服の眠り姫  作者: おふとん
5/25

第四章〜命の保証

ソフィア=メフィアが次に目醒めざめたのは、どのくらいってからだったろうか。            ソフィア=メフィアが少しく空腹くうふくを感じ始めたころだったから、半日はんにち近く経っていたかもしれない。        前回、眠りにいてから、眠っている間にさらわれるまでの間にどれくらいの時間が経っていたかもわからないのだから、空腹くうふくの度合いで時間を推測すいそくするのにも無理むりがあるような気もしたけれど。           やはり、おなかのすき具合ぐあいでは、現在の時間などわかるハズもなかった。そして、邸内ていない雰囲気ふんいきを感じ取ってみても、時刻の感覚はるでなかった。時刻をはか指標しひょうはまるでないのだ。         室内は完全に静寂せいじゃくが支配していたし、まぶたしにも陽の光などは入ってきてないようであった。きっと、この部屋は屋外おくがいに面しておらず、日光は差し込まないのだろうと思われた。         気配だけで判断するのなら、今現在では室内には、ソフィア=メフィア以外にはひとはおらず、ながい眠りに就いていると思われている彼女は、放置ほうちされているあつかいのようであった。  その事実じじつは、ソフィア=メフィアを安心させるのと同時に、不安にもさせた。何処どこともしれぬ邸宅に監禁され、しかもあたりにひと気もなくなったとあれば、それは不安にもなろう。眠ったフリをするのは段々(だんだん)、上達じょうたつしていった。            眼をつむって横たわっているのにあまり苦痛を感じなくなってきたのだ。なにも出来ない不安な時間がただ過ぎるというのにも、慣れっこになってきたのだ。       背中がいたくなってきたらさり気なく寝返りをうつことも覚えた。リアリティを出すために、軽く寝言ねごとつぶやくという芸当げいとうも身につけた。             周囲にはひとの気配も物音もなかったけれど、そうやって彼女は眠るフリを続けていこうとちかっていた。    そうしなければ、万が一、部屋の何処かから監視されていたという場合に、命の保証ほしょうがないからだ。ソフィア=メフィアは、とにかく生きたかった。生きておうちに帰りたかったのだ。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ