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「やっと追いついたぞ、カスタル!」
友人を止めるために必死に追いかけたレントは悲しそうな顔で言う。
「もう止まれなかったんだよな」
「…俺は行くとこまで行っちまったからな」
カスタルは否定せずまっすぐにラントを見つめる。そこにレントの仲間の声が割り込む。
「どうしてなんです?いつも重要なことは全部はぐらかしてましたよね。本当は助けを求めたかったのではないのですか?」
姫は今にも泣きそうな顔でカスタルの方を見つめている。しかしそれに対してカスタルは鼻で笑う。
「姫さんはあまいな。この世界はお前らが思ってる以上にギリギリなんだよ。あいつらは身を切ることで平和を保っていたがそれももうなくなる」
「そうね。私達は世界を汚すばかりで循環をさせていかなかったもの。私はアンタの判断は概ね正しいと思ってるわ。けど一つ間違ってることがある。それは一人で背負うもんじゃない事よ」
魔法使いの少女は険しい顔でカスタルを見る。
「本来ならそうすべきなんだろうな。けどお前らは甘いからな。情け、慈悲。そこらへんの感情で殺すことをやめる。そんな奴らにこの仕事を渡せねぇんだよ」
二人も続けて甘い言葉を放ったことでカスタルは大きく苛立っていた。
「そう、俺らはあまい。俺様だってあまい。けどよ、解決は一つとは限らないものじゃねーのか?殺すことがだけが解決なんて視野が狭いってもんじゃねーのか?」
「そんなことはわかってんだよ。お前らのやり方だって理解してる。だからこそ俺はお前らと行動を共にしてたんだからな。ギリギリまでいたさ。けどここで限界ってもんが来ちまってる。タイムアップってやつだ」
カスタルは武器を構える。それと同時にその武器から衝撃波が放たれる。それに対しレント達は武器を構えて退治する。
「もう戻る気は無いようじゃな。レント、お前自身の為にもカスタルと戦うのが良いじゃろうな」
「…君はいつもそうだった。対立したら剣で語る。君から貰ったもの、今ここで返させてもらうよ!」
「本当はカスタルと戦いたくなんて無いけど、戦わなきゃいけないなら僕も全力でやらせてもらうよ!」
「私も頑張ります!」
「いいぜ、全員まとめてかかってきな。全力で相手してやる」
そこでベッドから起きる。
「何だったんだろう、今のは…」
「どうした?朝から冷や汗なんかかいて。悪夢にでもうなされたか?」
同室のカスタルは茶化すようにレントの状況を分析する。額を触るとそこには確かに冷や汗が出ていた。
「いや、なんでもないよ。それよりもカスタル。僕と君が全力で戦う、そんな日が来ると思うかい?」
「唐突な話し過ぎるだろそれ。まあ可能性は充分にあるだろうな。俺とお前じゃ同じ結果を求めてても過程が違いすぎるからな」
昔から一緒にいる仲である二人はお互いをよく知っていた。好きな食べ物から性格までなんでも知っている。
だからこそぶつかる可能性はある、か。肝に銘じておこう。いつか本当にぶつかったときに僕が何を思うのか。




