涼風に風鈴 夕立ちに雷鳴
雷の音、好きだったりします。
黙りこくってないで 文句のひとつでもたれりゃあ
祓える憂さもあるってもんさ
照りつける太陽と
蒸し焼きのアスファルトに挟まれた世界で
生煮えの脳みそ ぐつぐつさせたって
けだるさにのされちまうだけだぜ しゃんとしなよ
膜を張る静寂には それを破る鈴の音が
夏を厭わず 夏に焦がれろ
乙なもんだぜ よその季節にゃない
夏はくれるさ 奪うだけじゃなく
あんたにもに聞こえるさ 涼風に風鈴
愚痴をならべてみても まるで響かねえ それじゃあ
うなずくあてもないってもんだ
打ちつける雨音と
鳴りやまぬアスファルトが埋め尽くす世界で
響奏に揺られて ぐらぐらしてたって
憂欝にのまれちまうだけだぜ しゅんとするな
幕のない喧騒さえ 裂いてとどく雷が
夏を嫌わず 夏に恋せよ
粋なもんだぜ ほかの季節にゃない
夏は無慈悲で ときにお人好し
あんたにも聞こえるか 夕立ちに雷鳴