第0話
風呂で思いついた妄想です。
文章は荒く、読みづらい部分もあるかと思いますが、読んで頂けると幸いです。
走馬灯が見える。本当に存在するものなんだな。
走馬灯と言っても、たったの16年分だ。録画したドラマを早送りしたように、俺の人生の思い出が流れていく。
彼女は一回も出来ず、童貞も卒業出来ず、大好きな対戦ゲームの大会に出るという小さな夢も叶わず、喧嘩した親と仲直りも出来ず...。そして死因は車に撥ねられたとか、クソッタレな人生だったな。
後悔と絶望でいっぱいいっぱいなまま、走馬灯も見終わった。走馬灯では、もちろん仲の良い友達との思い出もちらほら見えたので、余計に悲しかった。
もう分かったよ、俺は死んだんだろ? 俺のこの意識ごと消してくれよ、神様。
その思いが神様に届いたのか、視界がどんどん暗くなっていくのを感じた。俺の人生は本当に終わったのだと実感させられる。
手足の感覚が無い
鼓動が遅い
呼吸が出来ない
それらの苦しさも相まって、死の絶望が強くなる。
頭から出た血が頬を伝うのを感じて、最期に大好きな人の名前を呟いた。
そこで俺の意識は途切れた。
2036年 4月17日木曜日 19時 48分 17秒
俺、嵐田 海斗は、放課後に車に撥ねられ、死亡した。