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俺の妹が災難だらけすぎる  作者: 笠井久継
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第四話 妹と副会長の球技戦線

処女作第四話


最後までお読み頂ければ、幸いです。

 あれは、晴天の昼休み……

 池田と話していると、それは突如としてやってきた……


「おらぁ! シスコンいるかー!」

 荒々(あらあら)しく俺を呼ぶ大声がした……

「なんか聞いたことのある嫌な声やな」

 教室のドアを思いっきり開け、それは姿を現した。

 そこには、真っ赤な髪を(なび)かせ、自信に溢れた女の子が立っていた。

「ほーらでたぁ……」

 俺は呆れたように頭を抱える。

「姉貴どうしたんだ?」

「少しお前に用事があったんだよ」

 彼女の名前は池田朱夏(いけだあか)。高校二年生。池田龍(いけだりょう)の姉にあたる。スポーツ推薦で入学し、陸上・ソフトボール・バスケ等々で、優勝を収めている。

 池田姉弟は仲がいいが、姉の方と俺はあまり反りが合わない。

「シスコンじゃねえし、用がねえなら呼ぶな!」

「お前には迷惑かけてなんぼだろ?」

「やかましいわ! ほれ、大好きなお姉ちゃんの所行ってこい」

 俺は池田姉を退散させるべく、池田弟を差し出した。

「いっても普通の姉弟だけどな」

 池田弟は、苦笑いしながら姉に連れられて行く……


 放課後、俺は生徒会室へと足を運ぶ……

 生徒会室の扉を開けると、そこには池田姉と神奈の姿があった。

「あれ? 神奈来ていたのか? 教室の方に来ても良かったのに……」

「いえ、すぐにお暇するつもりでしたので……」

「あんたには、勿体(もったい)ないぐらいいい子よね。神奈ちゃん」

 神奈を抱きしめながら、朱夏が言ってくる。超同意……

「やらんぞ? 俺のだかんな」

 神奈は顔を隠すようにして、朱夏に抱きつく。

「というか、神奈は何しに来たんだ?」

「じ、実は、以前体育でソフトボールをした時に、上手くごま……まあ、活躍できたのですが、その一件でプライベートでも誘われるようになりまして。」

「そんなん、忙しいでどうにでもならん?」

「以前まではそれで行けたのですが、使いすぎて心証(しんしょう)がよろしくなくて……」

 神奈は俯きながら答えた。

「それで、どういう誘いで?」

「メンツが三人足りないから、なんとか…………」

「丁度いいな。ここにチートゴリラおるから、連れてけ連れてけ!」

 そう発したその直後、俺は赤毛のゴリラから鳩尾(みぞおち)(あご)に数発拳を食らう。

「可愛い乙女……だろ?」

「へぇ……お前そんな難しい言葉知ってんだな」

 その後滅茶苦茶(めちゃくちゃ)殴られた…………


 斯くして、俺たちはソフトボールをすることになった…………

「俺もやる必要ある?」

「人数足りねぇからやれ!」

 マジかよ! レッドゴリラマジ恐怖。

 池田姉の俺にだけ横暴(おうぼう)というこの心折設計(しんせつせっけい)どうにかして欲しい……

「あれが、神奈ちゃんの----」

 なんかコソコソ聞こえてるし、居心地(いごこち)悪い……!


 ソフトボール戦の幕が切って落とされた。

 ピッチャーは何故か神奈。投げた球は奇跡的(きせきてき)軌跡(きせき)を描き、俺の眼前に飛んできた……

 相変(あいか)わらず殺しに来てる投球……

 みんなこれ魔球かのように見えてるかもしれんが、ノーコン(こじ)らせた殺意の(かたまり)やぞ……

 見かねた池田姉が、ピッチャーになり、三者三振。即座に交代。

 流石、生徒会長に並ぶ化物(ばけもの)! 頭はあれだけど、運動において右に出るものなしと、言われるだけはあるな! 頭はあれだけど!

 敵チームにいる神奈の友達が話しかけてきた。

「元々、神奈ちゃんからよく話を聞くお兄さんみたいなって所から、『ソフトボールやろっ!』ってなったんですよ」

 どうやら、俺に会いたいとかって話にはなるが、神奈が会わせないから、ソフトボールを名目に誘おうって魂胆(こんたん)だったらしい……

「そしたら、呼んでもない化物が添付されてきたってことやな」

「そこまでは言わないですが、そういう事です……」

「てか、なんで神奈は会わせたくなかったのか? 恥ずかしいとかならまだわかるが……」

「それはですね、恐らく、こっちの子の一人が『そんなにカッコイイならつ』」

 神奈の友達が話している最中に池田姉が大声で割って入る。

「おーい! 次お前の打順だぞ」

「ごめん、話はまたあとで」

 そういい、その場を後にし、それ以降、『内緒です』といい、はぐらかされ、話を聞けなかった。


 ソフトボールは、十点差をつけ、終了。

 池田姉のパーフェクトゲームにより、バットにかすりもしない。バッティングに関しては俺と池田姉で、(ことごと)くネットの上を越え、ホームをランニングしていた。

「もう連れてこないでください……」

「はい、すみませんでした」

 妹の友達に怒られるとかあるぅ?

「何か物足りないな」

 こいつの物足りないの感覚は付き合うとしんどい……

「おい奈岐、万本ノックし……」

「断る! お前はアホか! 絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)もっと大事にしろや!」

「お前は廃棄処理物(はいきしょりぶつ)やろ! 目を覚ませ!」

「誰が不発弾や! どっちかというと、マミーって呼ばれてそうないい感じの見た目してるやろ!」

「お前がマミーなら全人類天使やわ! 現実見ろ、お前は精々(せいぜい)フレディがええ所やろ!」

「うわあああああああああああああ! フレディ知ってやがったんか!」

「そこなんだ」

 と中学生たちは口を揃え言う。

「帰って妹とイチャイチャしてるんだな!」

 それはしたいとは言えず……

「ここで会ったが百年目! 次は覚えてろや!」

「絶対言うタイミング今じゃない」

 と再度言われる。


「神奈……以前練習した時よりも下手になってね?」

「そ、そうですか……? あれ以降してないからですかね……」

 苦笑いしながら神奈が答える。

「あっ、兄さん。明日買い物に付き合って欲しいんですが……」

「あれ?なんか買うものあった?」

「もうそろそろ夏休みじゃないですか」

 忘れていたが、そろそろ夏休みで生徒会の行事しかないイベントが始まるんだった……

「それと次の土曜日、予定空いてますか?」

「空いてんよ、基本暇してる。なんかある?」

「また言いますが、空けててくださいね!」

 神奈はそう言って、ウィンクをした。

 可愛かったので、追求せずに承諾(しょうだく)した。

最後までお読み頂きありがとうございます。


不定期にはなりますが、今後も投稿は続けて行きたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い致します。

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