声なき声
足が震える。
心の臓が縮み上がる。
今日も飛べなかった。
明日になれば飛べるのだろうか。
それは勇気か。
それとも蛮勇か。
私は伝えるのだ。
殺され続けた声を。
私は怒るのだ。
殺され続けた自分に。
けど声はか細く、誰の耳にも届かない。
「命に代えても」と言えば、格好がつくだろうか。
誰か1人でも、悲しんでくれるだろうか。
考えられるうちは、私は飛べないのだろう。
もう何も考えられなくなれば、私は飛べるのだろう。
私は生にしがみつく。
1度きりのチャンスのために。
私は死に願いをかける。
私の声を誰かが伝えることを。
初めからわかっていたんだ。
独りでは何も出来ないことなんて。