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神様の異世界放浪記(仮)  作者: senkou
第一章 赤龍編
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二つの月と溶ける記憶

空には赤い月と青い月が浮かんでいた。


俺のいた世界は月が一つしかなかったはずだ。

望遠鏡で月面基地を眺めたことがあることを、思い出した。


そもそも、なぜ記憶が曖昧なのか、あんなカプセルに寝ていたのかを徐々に思い出してきていた。


きっかけはネームプレート。

あれを見た瞬間からである。


まず、記憶がおかしいのはあのカプセルで寝ていたことと関係がある。

あのカプセルはコールドスリープ用のカプセル医療機である。

俺はそれに入り治療を受けていた.....はずだ。

なんの病気だったかの記憶が抜けている。


記憶が抜ける。

コールドスリープの副作用である。

解凍時に脳内の機能が正常であることを確認し、意識回復をするのだが、長い間脳の機能を使わないとそういった症状が出るとのこと。

しばらくすると完全に記憶は戻るらしい。

事故なのどの外傷ではなく、ただ単に使っていなかったからすぐには使えなくなっているらしい。


「長くても一週間程度で回復するし、日常に必要な記憶や知識は回復しないと意識自体が戻らないから心配しないでね」


と、説明してくれた技術者の会話を思い出した。


だんだん記憶が戻ってきている頭をゆっくりと使い、現在の状況を再確認してみる。


今いる場所は地球ではない可能性が高い。

地球には月は一つしかないのだから。


別の惑星?

俺の知る限り2016年の時点で、移住可能な惑星なんか見つかっていないし、移住方法もなかったはずだ。

何年寝たらそんなことが可能になったのだろうか?

想像したら怖くなった。


もしくは、漫画やラノベように異世界にでも移転したとでも言うのであろうか?

笑うかもしれないが、おれはまだこっちの方が希望が持てるのを感じていたのだった。


どちらにしろ、今の状態では答えは出ない。


地球に帰るためにも、今の状況をどうしかしないといけない。


「絶対に帰るんだ!」


帰りたい理由もわからないが、強く強く思った。


一歩一歩歩く。

道無き道を。

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