2人の夢
男の子「へぇ、面白い能力だね。君の能力は、珍しい。ますます…」
男の子は、志乃のほうを睨み笑った。
男の子「殺したくなったよ。」
志乃「そうかい、そりゃ良かった。」
そして、志乃は男の子の後ろをとり言った。
志乃「あたしも、あんたの頭ん中が見てみたくなったよ。」
壊「おっ、2人ともやる気だね〜」
壊は、笑いながらそう言った。
カナ「いくら志乃ちゃんが億分の1でも、相手が相手ね。」
壊「そーゆうカナちゃんこそ、強いじゃん?」カナ「そりゃ、あたしら[特殊テロリスト撲滅班]と[国の番犬]と[死刑執行人]などの訓練を受けてるからね〜。それに、能力開花前の本職は『D』だったし。壊なんか…」
壊「そっ、モノホンの死神だからね。そ〜ゆう、カナちゃんもでしょ?」
カナ「まぁーね。神さまもよくやったもんだよね〜。天から地へと、記憶も消され落とされた、赤ん坊のあたしらを侍にしたんだねー」
壊「そう、前世の記憶を…俺らが、 この時代に招かれざる子であることを、この世の中から消したんだ。俺らの存在を…」
カナ「世界も、よくも、ガキのあたしらを死神に叩き上げたもんだよ。」
壊「俺らは、この世界の影でしか生きられない…」
カナは、静かに刀を抜く。
カナ「ねぇ、あんた誰?壊ちゃんじゃないね。」
壊は、静かに笑った。
壊「壊だよ。正真正銘のな。」
そう言い、壊は刀をカナに振った。その頃、志乃たちは。
男の子「あっちも始まったね。」
志乃「はっ?始まったって、何が…」
志乃は、窓の外を見た。
志乃「壊?いや、花ちゃんも!なんで花ちゃんがここにいんの!」
男の子「えっ、だってあの方々は未来で呼ばれる事になる『四季』だからね。まぁ、言わいる『平成侍』かな。」
志乃「へ〜、未来?未来っていつ?」
男の子「そんなこと、殺んのに必要ねーよ。」男の子は、大きく円を描くように宙に舞った。志乃の、首筋に痣が出来た。
志乃「いってぇ〜」
男の子「ねぇ、さっきの刀背打ちじゃなきゃ、死んでたよ?」
志乃「知ってる。でも、あたしは刀背打ちで済ませるようなアホじゃないからねぇ、2本貰ったよ。脚と腕。」
男の子が見た時には、既に手足がなかった。
男の子「あっ、」
斬られたところから血が流れる。
男の子「血だぁ…血が流れて。俺のが。やっと死ねるんだ…」
男の子は笑う。
志乃「あっちで、静かにしてな。じゃーな。」そして、男の子は倒れた。
壊「終わったんだ…ごめんな開…俺らの理想を創るためだ…」
カナ「あんた、何言ってんの。あたしらは…『四季』の目的は平和な国を創るためだった!だから、『D』…暗殺の知識を覚えた!なのに!あたしらを、めちゃくちゃにした奴らを殺そうって!世界を平和にし!」
カナが言い終わる直前で壊は、怒りのこもった声で叫んだ。
壊「始めは、俺も思ってたよ。俺らの人生めちゃくちゃにした奴らを殺して、幸せになろうって!!!なろうって、思ったけど!めちゃくちゃにされる原点を辿れば答えが出たんだ…簡単に。」カナ「開...ちゃ...ん、言わないで?」
カナが震えた声でいう。壊は、風が吹くかのようにサラッと言った。
壊「俺らが、この地に生まれなかったらって。まだ1歳の子を、実の親が施設に売り、その施設がまた!俺らを犯罪組織に派遣する。小さい頃から、人の血を浴び、武器を握ってきた!周りの子は、ただただ気付いたら丸太で作られた十字架になっていた!」
カナ「壊...開ちゃん!」
壊「俺が悔しんだよ...俺自身が!俺は、こんな人生のはずじゃなかったんだ!カナちゃんは?」カナは、下を向き考える…。そして。
カナ「あたしだって、こんな人生納得してない。この世界にも納得がいかない…許せない!だから、壊ちゃんの気持ちは分かる。でも…」
最後カナは言うか迷うかのようにしたを向いたが、はっした。
カナ「でも!あたしは、この世界を潰そうだなんて思わない!」
志乃「花ちゃん…」
カナ「ごめんね、志乃ちゃん。あたし本当は、カナって言うの。花じゃないの…騙してごめんなさい」
カナは、志乃に深く頭を下げた。
志乃「そんなことはいい!あたしが知っているのは、カナでも花でも無い!寝坊の多くて、近所に住んでいて、アホな『あんた』しか知らない!」
カナの目からは、涙がながれ。そして、笑った。
カナ「…アホなって(笑)。ありがと。」
志乃「いえいえ!」そういい、志乃は胸を張る。カナは、頬を伝う涙を袖で拭く。
志乃「行くよ!」
カナ「うん!行きましょう!志乃様!」
志乃「なんで敬語?(笑)」
壊「カナちゃん…やっぱ、変わったね。」
カナ「あたしは、変わってないよ…。変わったのは、壊ちゃんの方よ。」
壊は、カナを睨む。
壊「カナちゃん…。1回死んで見て、君は何を見たんだ。」
カナ「やっぱ、壊ちゃんはもう1回死んでもらわなきゃね。」
そして、壊とカナは殺気を放ちあった。