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平成侍  作者: Aki
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伝説の平成侍『四季』

壊「どーしたの?志乃」

志乃「ん?あー、大丈夫。ね〜、壊?」

壊「なに?」

壊が聞くと、志乃は下を向き何かを考えていた。そして、首を横に振り志乃は答えた。

志乃「あんた、落魔の時さり気なく志乃って言ったでしょ?」

壊「あっ!ごめん!つい…なんかさ、こーゆーの初めてじゃない気がして…慣れてるっていうか…」

志乃「ね…あたしさ…」

壊「ね、志乃はこの小説終わらしたいの?」

志乃「終わらせたくないに決まってるじゃん!」

壊「なら、その質問は、また今度。てか、学校どーすんの?」

すると、窓の方から声がしている。

さっきの子達ではない声だ。

女の子「さくらー!ねー!」

志乃「あ、また遅刻する気じゃん。」

志乃は再び窓を開けた。先ほどの子達は、もういない。

しかし、1人の女の子が立っていた。

志乃「花ちゃん!」

花「おー!志乃ちゃん!ねー、桜っている?」花は、志乃の姉、桜の友だち兼クラスメート。志乃「たぶん、もう行ってると思う!花ちゃん、また寝過ごしたの?」

花「そーなの!じゃ、急いでるから!じゃーねー!」

そして、花は走って行った。

志乃「壊、あたしらも、準備…って、壊?」

壊「花…ね、俺さ、あの子と同じ学校行きたい。」志乃「はっ?なんで?」

志乃は飽きれていた。壊は、花ちゃんに一目惚れしたのだと思った。

そんなに、変な子ではない。むしろ、可愛らしい方の分類に入る子だ。

しかし、壊は、問いに答えなかった。

志乃「別にいいけど、大丈夫なの?」

壊は、ハッと我に戻った。

壊「ありがとう。じゃ、行ってくる!」

そういう壊は、窓から降りて、花が走った方向へ走っていった。

志乃「どうして…やば!学校。」

志乃も、準備を始めた。


その頃、花の通う中学校では、全校集会を行っていた。生徒会長が話していた。いつもの、自慢話だ。志乃の姉、桜はうんざりしていた。

花の事もあり、会長の話は耳に入って来なかった。そして、会長の話が終わろうとした時、体育館の後ろのドアが思いっきり開いた。

花「遅れてすいません!」

桜は、思いっきり頭を下げた。

?「すいません。僕が道を聞いていたもので…」

後ろからは、男の子の声。

花「えっ?」

?「僕、今日からこの学校の生徒になる、鬼灯です。」

教頭「何ですか!君は!」

そこに、校長が口を挟んだ。

校長「鬼灯くん、ようこそ我が校。話は聞いてるよ。」

朝会にいた中学1年生は唖然としていた。

なぜなら、

上げてピンで止めている前髪、制服の下に着た黒いインナー、足元のゲタ。

桜「開くん…」

友だち「そっくりなだけよ。でも、ほんと似てる…」

校長「いいタイミングなんで、鬼灯くんの紹介をさせてもらうよ」

そう言い校長が舞台へ上がり、台の前で説明を始めた。

校長「鬼灯くんは、今日から入ってくる転校生です。近くの親戚の所から、通っています。」鬼灯「鬼灯です。よろしくお願いします。」

校長「君のクラスは、1-2にお願いします。」鬼灯「ありがとうございます。じゃ、案内してください。桜葉[サクラバ]さん。」

花は、ゾッとした。

名乗ってもないのに、名前を呼ばれたからだ。

花 「なんで、私の名前を?」

鬼灯は、当然のように答えた。

鬼灯「そんなの、あなたに会った事があるからですよ。でも、」

その時、鬼灯と花以外の人達の声が一斉に静まりかえった。

花「今は、そんな話はできないわね。」

鬼灯「そーだね〜。これだれの仕業だろねー。」

花「検討はついてんの。あんたとは、話しをしたいの。ちょっと話してから、協力して悪役潰さない?」

鬼灯「それはいい提案ですね。そーしましょう。で、あなたは僕の何を知りたいんです?」

花「まず、あんたはなんで、あたしと話してるわけ?今。」

鬼灯「あなたと、同じ人種だからですよ?他には?」

花「あんた、誰?」

鬼灯「ちょっと聞き方がキツすぎやしませんか?あなたの、ほんわかした口調はどこへ行ったんです?まぁ、いいでしょう。誰って、分かってるじゃありませんか。」

花「じゃ、あんたも…」

鬼灯は、花の耳元で囁いた。

鬼灯「平成侍」

そして、鬼灯は花から離れた。

鬼灯「わざわざ、昔のような口調使わなくてもいいみたいだね?記憶あるみたいだし。ね?カナちゃん?」

花「カナ?誰よ、それ。私じゃない!」

花は、動揺を隠しているようで、隠せていなかった。

鬼灯「君のセーターの中…刀、仕込んでるてしょ?持ち歩くなんて、新しいファッションなの?」

花「なにを言っいるの。」

鬼灯「簡単さ、君は最後の平成侍 桜葉 花。3年前死んだね?」

花は、下を向いたまま数分黙った。

そして、花は口を開いた。

カナ「そ、あたしがカナ。椿、鬼灯の持ち主ね。今は、枝垂桜もだけど。で、開ちゃんは?」鬼灯「僕だよ?君を見たとき、フッと思いだしてさ。だか」

カナは、鬼灯が言い終わる瞬間、口を開けた。

カナ「残念ね。開ちゃんとは、どこもかしこ違うけど?」

鬼灯「えっ?開だけど?久しぶり過ぎてわかんないかな?」

カナ「ねぇ、明日が楽しみだね?」

鬼灯「うん、カナちゃんと同じクラ」

鬼灯の前、既にカナはいなかった。

鬼灯「なぁ!?」

鬼灯の下には、カナがいた。

カナはセーターから刀『鬼灯』と『椿』を出し、鞘から抜いて振り上げた。

鬼灯は、すかさずその場から離れた。

鬼灯「何にすんのさ!カナちゃん!」

カナ「その呼び方やめてよ。カナちゃんって呼んでいいのは、開ちゃんだけなんだから。」

鬼灯「だから、僕だよ?」

カナ「ねぇ?あたし達をなめないで?あたし達は、A[Assassin]として育てられ、売られた身なんだよ。」

鬼灯「A…暗殺者かぁ。」

カナ「で、誰なの?最近、ここにいるみたいだけど?」

鬼灯「鬼灯を名乗った事、お詫び申し上げます。」

そう言い、奏はスーツ姿に変わった。

奏「申し遅れました。私、あなたを殺すために参りました。奏[ソウ]と申します。あなたの言った通り、鬼灯 開では、ごさいません。」

カナ「へ、律儀なんだね〜。あんた。」

奏「では、ショータイムといたしましょうか。」

そう言った途端、奏は目の前から消えた。

カナ「へ〜、あんた水使うんだね。」

カナは、鬼灯を鞘に終い、後ろから来る斬撃を椿で止めた。

カナ「あんただけが水で、刀は本物か…」

奏「いえ、どちらも実物です。」

すると、カナの後ろには、もう一人の奏がいた。

カナ「あたしの、後ろは頼んだよ!」

?「あいよ!カナちゃん!」

そして、もう一つの斬撃を、来たもう一人が止めた。

奏「キミは!?」

刀が擦れ合って、カチャカチャいっている。

カナ「へ〜、実体化出来たんだ。開ちゃん」

壊「今は、開くじゃなくて、壊す方のカイなんだけどね。」

壊は、前髪を上げ、半袖に黒いインナー。

そして、足元はゲタ。そんな壊が、紅葉でもう一人の奏の斬撃を止めている。

カナ「ねぇ!壊ちゃん!明日が楽しみだね?」壊「そう!希望に満ち溢れている未来だと信じてるから!」

カナ「開…壊ちゃん、いくよ!」

壊「俺らは、2人で平成侍なんだ!」

そして、壊とカナは空いていた手のひらを、お互い叩き、気合いを入れ直した。

奏「これが伝説の平成侍『四季』」

壊とカナ、それぞれが奏と目を合わせ、ニコリと微笑んだ。

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